『真実』是枝裕和監督。

カトり-ヌドヌーブ、ジュリエットビノシュ主演。

 

久々に気になった映画をビデオで借りてみた。

 

舞台はフランス、

国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌドヌーブ)の自叙伝『真実』の出版祝いに家族が集まる。

アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミエール(ジュリエットビノシュ)とテレビ俳優の夫、娘。

そして元夫・リュミエールの父も。

 

出来上がった本を読んで

「この本のどこが「真実」なの?!」と憤る娘。

わだかまっていた母への愛と憎しみが、蘇る。

 

 

ファビエンヌの個性がキラキラだ。

口は悪いし、自分勝手。

正直なんだな、気持ちいいくらい。

相手がどう思うかより、

全力で自分の気持ちを語り、徹底的な自分弁護。

 

娘に母親業について非難されると、

「良い母でヘタな役者より、マシ」とのたまう。

 

でも、娘に愛されないのも辛い。

ある夜、ファビエンヌは

娘をほろりとせるエピソードを語る。

と同時に女優魂がムラムラ。

温かい抱擁のさなか、

「この気持ちを芝居に活かせないなんて」と。

娘は失望か、あきれ顔。

 

彼女は女優。

「台詞」を使って、

最高の舞台を演じているのだ!

現実、人生そのものが

自分が主演の舞台!

 

本心?台詞?

 
 

真実ってなんだろう?

誰もが色々な「わたし」という役を、

いろんな場面で使い分け、

演じているだけかもしれない。

 

優しい小芝居。

 

それでいいんだ、幸せならば。

ケセラセラ。

母子の愛憎劇にはならない、

優しくてコミカルな余韻。

いいな、是枝監督。