「公演中止となったツアー会場でのグッズ販売とあっちゃんへの寄せ書きメッセージ実施」が告げられたのは、わたしたちにとって最も悲しい報せががもたらされた日の、翌日だった。

 運営の多大なる尽力と、途方も無い御厚意にはあの日以降、何度も助けていただいた。

 第一報を受けて宿泊予定を全てバラしたものの(年末の宿泊予定意は死守した当時の自分をちょっとだけ褒めておく。余談ではありますが)、箱ツアーもそれなりに展覧会とのはしごを予定していたため、グッズ&寄せ書きツアー(でいいのかな言い方)も、無理のない形で回ることにした。


 ファンクラブ限定ツアーの4箇所は、すべて足を運ぶと決めた。


 11/3、朝イチで向かったのはZepp大阪ベイサイドではなくて美術館でございました…だってだってグッズ列にみなさん早くから並ぶだろうし、グッズ→展覧会だと時間読めなさすぎて(結果この選択で正解でした)。

 ・長沢芦雪展/大阪中之島美術館(どうしても東京の展覧会はしごが多くなるため、西の美術館に足を運ぶ機会ってなかなか無くて。中之島美術館、やっと行くことができました。道中、近年ホール公演で使われていた、音響のよさで夙に知られるフェスティバルホールも見られて、ああここで5人を観てみたかったな…ってほろッときたりもしていたわけですが。展覧会に何ひとつ罪はないのですが、この芦雪展(せめて展覧会名は「蘆雪」でお願いしたかった…とかはあるけどさ)、近年訪れた展覧会中ワーストと言っていいほどの騒がしさで、正直言って鑑賞どころではなかったのです残念ながら。美術館で喋らないと◯んじゃう病の人、どうかおうちのTVで「◯の壺」か「◯曜美術館」見ながらお好きなだけ、心ゆくまでお喋りなさってください)


ああ、ここが…と、見上げましたよフェスティバルホール


芦雪展観てグッズ購入寄せ書き終わったら夏の上野で見た「光」展おかわりしてもいいかな〜なんて思っていたけど、Zeppで5時間近く並んだので中之島には戻れませんでしたとさ



 大阪(日帰りでした)の翌日。

 会期最終日前日の展覧会へ。

 ・和田 誠展(同時開催:宇野亞喜良展)/刈谷市美術館(絵本系イラスト系の強い刈谷市美術館での、和田誠展。しかも同時開催が宇野さん!9月半ばからかかっていたのになかなか観に行けなくて、こんな強行軍で鑑賞することになるとは。膨大な作品数、多岐にわたるジャンル、全てに漲る高いクオリティ、節度ある鑑賞態度のお客さん…と、何から何まで非の打ち所なし。こぢんまりした同時開催展ながら、宇野さんの60〜70年代メインの作品展も素晴らしゅうございました)



やっぱり…ソフィア・ローレンって似てるよねぇ(誰に)








 

 夏はしご同様、秋もツアー×はしごの予定をちょいっと組んでいた。

 豊洲PITは日帰り予定だったのを、急遽宿を取り直して(仙台に行く分の交通費と宿泊費が転用される形になりましたね)、展覧会はしごと両日PITという形に。2日めは、ターポリン書くだけのために豊洲に行ったのです。

…この記事書く間、展覧会フライヤーのファイルとカメラロールを行きつ戻りつしていてですね。

 ほんの半年前のことなのに、自分の足取りの記憶が不確かで、ああこれが「脳が仕向けている忘却作用」というやつか…なぁんてことも思ってみたり。飛び飛びなんだよね、記憶が。


 ・激動の時代展 幕末明治の絵師たち/サントリー美術館(豊洲には朝10時前に着いていたはずなんですが、ミッドタウンで最初に撮った写真17時半回ってるんですよ…そして、豊洲から六本木にどのように移動したか、全く思い出せない。いったん宿にグッズ置きに行ってるのかな〜?…ちっとも展覧会の話になってない😅 国芳とか暁斎とか、どうも自分が観る江戸時代のものって奇想系の絵師に傾きがちというか…。いや、単に展覧会として多いって話ですね近年の流行だしキャッチーだし)


ミッドタウン前スケートリンクは冬の風物詩


「芸術はバクマツだ!」って…😅




 ・やまと絵展 受け継がれる王朝の美/東京国立博物館 平成館(2022年見逃して公開した展覧会No.1は「国宝」展ですからね、そこの恨みをはらす勢いで観ましたよ。展示作品の7割超が国宝or重要文化財ってなったらそりゃ買いますよ図録←後日オンラインでしたが)

 ・横尾忠則 寒山百得展/東京国立博物館 表慶館(これだけまとまった数横尾さん作品観るのはたぶん初めてのことだったはず。館こそ違え、「やまと絵」とかの展覧会を同時開催できる振り幅が、theトーハク←めっちゃ褒めてる。寒山拾得とは唐の時代に生きたとされる伝説的詩僧「寒山」と「拾得」をさし、その奇行ぶりをもって「風狂」と捉えられ、日中における伝統的画題となったふたり。当時、あのタイミングで「ふたり」モチーフってのは劇物性が凄くて、どれだって泣くような作品じゃないのに絵を前に勝手にひとりで涙ぐんでしまいましてね…)


「真っ青な空でかなしい」って山頭火のヘタなもじりも出るような空でした


平成館。


表慶館。


なんかさ〜…ちょっと泣いちゃうよね…(個人の感想です)




 12月、あっちゃんハニェダは初めてだねお花どうぞの会も、お花のあとは展覧会はしごした。

 ・大正の夢 秘密の銘仙ものがたり展/弥生美術館(弥生美術館、久しぶりだったなぁ。和装のお嬢さんたちがたくさんいらしていて、それでもうほくほくしちゃってました。同じ館内に併設されているのが竹久夢二美術館ということもあって(まぁ、弥生美術館も高畠華宵の作品をかけるための美術館としての始まりだからそもそもそういう成り立ちなんだけど)近年、漫画家さんのフィーチャー展が目立つこちらでは、今秋上條淳士展の開催予定が!描く方のあっちゃん、楽しみ)

 ・コスチュームジュエリー展 美の変革者たち/パナソニック汐留美術館(ジュエリーはジュエリーでも、貴石としての価値ではなく、ファッションデザイナーのオートクチュールコレクションに花を添えるためにデザインされた、まさに文字通りコスチューム>ジュエリーの位置付けなんですね。華やかだったりシックだったりキッチュだったり、キラキラ感マシマシアクセサリーは、宝石メインのコレクションを愛でるのとはまた違った愉しみがありましたねぇ)









 年末はしごは、行けるところが限られている。

 多くの美術館が12/28から年末休業に入るなか、開いていてくれてありがとう…と毎年拝むような思いで足を運ぶ美術館がありまして、どうかこれからもよろしくね、と思うばかりでございます。

 ・癒しの日本美術展 ほのぼの若冲、なごみの土牛/山種美術館(若冲に「ほのぼの」って枕詞つけられてるのたぶん初めて見たわワタシ🤣いや、見たことありましたけどね伏見人形とかゆる系若冲。癒しか…)

 ・私たちのエコロジー展 地球という惑星を生きるために/森美術館(「作品リストQRコードで読み込んでね」系展覧会って近年ほんとに増えてるんだけど、森美術館はかなり早くからそっちでしたねぇ。逆説的な言い方になるけど、作品見てるときって作品リスト見ないから、紙ベースで出てないと、図録買わないで帰るともう作品名から何から「どこいった?」ってことに…。←個人の感想です)




山種美術館といえば喫茶室ですわよ



エスカレーター上るのが森美術館、上らないでぐるっと回るのが森アーツセンターギャラリーね


 2023年の、美術探訪とBUCK-TICKは分かち難い。「はしご」という分かりやすい物理的な事象とはまた別の次元で、分かち難いのだ。


 美術関連の記事を書いているのにBUCK-TICKの話になってしまうように、どうしたってどこかでつながってしまう。

 今のワタシが愛でているあれこれは、BUCK-TICKを経由しなくても好きになっていたと思うのだけれど、辿っていけば好きになるものの多くがBUCK-TICKとつながってしまうこと、それが決してこじつけレベルの話ではないこと(いえね、個人の趣味ですからこじつけでも全然構わないと思ってもいるのですが)に、うふふふふとなってしまうのよ。


 さー!次からは2024年のはしご記事書くぞ〜!