2023年の夏は、猛暑をものともせずコンサートにも展覧会にも足繁く出かけた夏だった。

 それがどれほど幸せなことだったかをこんなにも早くに、これほどまでに強く思い知らされるだなんて、あのころの自分は、思うことすらなかっただろうな。



 7月下旬。

 ガーデンシアター2デイズの前後にも、展覧会を組み込みましたよ。


 ・フィンランド・グラスアート展 輝きと彩りのモダンデザイン(図録は後日オンライン購入)/東京都庭園美術館(春の建物公開に続いて今回もカーテン開けて外光入れての展覧会。展示品がガラスだから、自然光で見せたいとの意向があったとか。撮影可の作品も多かったんだけどさ、大型のガラス作品の真上にスマホかざしている御婦人をそこかしこで目にしてまぁ肝が冷えました[「スマホリングしてるから大丈夫よ〜」とかそういう話じゃないからね]。あの手の御婦人たちは、なぜ展示エリアのど真ん中で4〜5人かたまり、話し込みその場に居続けるの?←あ、いけないわ思い出し怒りがはみ出ちゃった☆)

 ・虫めづる日本の人々展/サントリー美術館(コンサート前に展覧会2本見てたんかワタシ…。当時、「荷物になるから」と買い控え、その後サイトをチェックしつつもずうっと買いあぐねていたんですがね図録。…結局買ってしまいましたよ先日、サントリー美術館で😅ま、この話は後日ですね)







 ・ガウディとサグラダ・ファミリア展/東京国立近代美術館(当然と言えば当然なんですが、ま〜激混みでした。混雑の記憶が展示の記憶を上回っていてですね…。現地で見てこそのサグラダ・ファミリアなんだろうなぁとの思いを強くした展覧会でございました。会場を訪れてみて、初めてわかることもあるってことで。)

 ・山下清展 百年目の大回想/SOMPO美術館(竹橋から新宿は遠かったよ…方向音痴が灼熱の都庁エリアでうっかり地上に出てしまい焼け焦げて蒸発しちゃうかと思うほど道中暑かった。「長岡の花火」何度見ても泣きそうになる)





 8月は東京への展覧会はしごは無し。

 観光地の美術館をいくつか。北澤美術館にも行きましたよ。ガレは何回観てもええもんですからねぇ。




 9月の異空聖地ファイナルには、展覧会鑑賞を絡めなかった(暑すぎて計画立てていても多分取りやめてただろうな…ってくらいの暑さでした)。



 箱ツアー初日は、前乗り(横浜ではなく東京に宿を取ったので厳密には「前乗り」では無いのかも)して、けっこうな大はしごをかけておりましてね。


 ・永遠の都 ローマ展/東京都美術館(歴史オンチでもローマと聞けばそりゃときめくよね。何がそうさせるのかはわからないけれど。初来日を果たした「カピトリーノのヴィーナス」美しゅうございましたよ)

 ・パリポンピドゥーセンター キュビスム美の革命展/国立西洋美術館(なかなか思うようには組めないはしごだけれど、この展覧会は早めに観ておきたくて。会期末って混雑しがちなの…ええ、ワタシが好きなのは会期末ぎりぎりで御覧になることが多そうなあの方ですけどね🤣1月に御覧になってましたよねぇ…。前回の記事でも触れましたが、西美は第二企画展もすばらしい。このときの「もうひとつの19世紀 ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち」展もよかったなぁ)

 ・棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ/東京国立近代美術館(大好き東近美、待ちに待った特別展。初めて観る棟方志功作品はいのちのエネルギーに満ち溢れておりました。撮影可の所蔵作品展で!我が最愛の一作東山魁夷の「残照」が〜!かつて東近美でも国立新でもかかった「東山魁夷」展は当然撮影不可、こんなタイミングで撮れるなんて!と当時大興奮しましたねぇ)

 ・春陽会誕生100年 それぞれの闘い展/東京ステーションギャラリー(はしごスケジュール詰め込みすぎでした…無理やり観ても大丈夫なときもあるんだけど、さすがにこの日のはしごは欲張りすぎました)







「残照」東山魁夷

この絵見てると泣いてしまうのよ



 


 横浜に向かう前に、一本観てるのねワタシ…。


 ・装飾の庭展 朝香宮邸のアール・デコと庭園芸術/東京都庭園美術館(図録、当日買いだったかなオンラインだったかな…。2023年3度めの庭美。これまたカーテンオープン。開館40周年記念の展覧会が次から次へと開催されておりましてね…)







※記事途中での唐突な(でも必要な)お知らせとお願い※

 「振り返り記事」という性質上、ここからは「あの夜」に関する記述不可避となっています。

 BUCK-TICKをお好きな方、この先を読み進めるか否かは、御自身の判断でどうかお願いします。

 長らく振り返り記事を書かなかった(或いは書けなかった)のは、このためだったのだ…ということに、我がことながら改めて思い至りました。











 あの夜。

 相互さんのおさかなさんと夕食を御一緒して、まだなにもわからない状況で、不安だけが渦巻いていて、翌日鑑賞予定していた展覧会もぜんぶやめにして、さっさと帰ってしまおうかと思うほどには動揺していた。


 でも、ワタシがめそめそぐるぐるうろうろしたところで(それこそ展覧会キャンセルしたところで)、あっちゃんの体調に何ひとつ寄与できることなんて無いんだな、って(そんなの当たり前のことなんだけど)あの夜は考えて。

 あっちゃんを心配していることによって、自分が自分の動きを制限しているような感じになっていたら、きっとそっちの方をあっちゃんは気に病むだろうなって(後に今井さんが言い回しこそ違え同じようなことおっしゃっていたのを目にして何かこう、ちょっと…大いに救われる思いでした)。


 混乱しているときほど、落ち着いて「できること/できないこと」を見極める。

 できること、に注力する。そうするしかないし、ほんとはそういう用い方をするものではないと百万も承知しているけれど。

 「美術探訪」という「もうひとつのBT」があることが自分を守ってくれた…と、半年経った今でも、心から感じている。


 横浜から、六本木へ。ちょっと遅めの通勤時間帯。帝都エリアの平日の通勤電車を、人生で初めて経験したのが10/20のことでした。


 ・ブラック・ジャック展/森アーツセンターギャラリー(フライヤーの「医者はなんのためにあるんだ」って文言は会場でも提示されていて、タイミングがタイミング過ぎて寝不足と展示の多さともろもろでよろよろでした。図録、会場でしか販売していなくてこれがまた大判(B4判)で…泣く泣く見送って、「買っておけば…!」と後日また泣くというね)

 ・イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル/国立新美術館(展示されているお洋服全てが、貴重過ぎる歴史資料!撮影可でしたのよ…)

 ・アーツ・アンド・クラフツとデザイン展 ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで/そごう美術館(横浜の宿に荷物を置いて出たので横浜戻りの鑑賞をば。鑑賞後の物販エリアで手にしたのは図録ではなく「もっと知りたい」シリーズのモリス本と、ビアズリーの作品集でした)















 …。

 長過ぎる。

 11月12月は「その⑤」にて(なるべく早くアップします)