花鳥画の巨匠 | 九十九次百 つくもつぐもも のぶろぐ

花鳥画の巨匠

11/17(Thu)-23(Wed) 大槻悦康「日本画展」 in ギャラリーコンセプト21

70歳を優に超える、大槻先生の個展を見に表参道へ行きました。

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普段はお教室で数多くの生徒さんをご指導されている、大槻先生が個展を開催するのは実は初めてです!
(大槻先生の日本画教室のHPはこちら

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「大槻先生といえば鳥画!」と言われるくらい、物の薄さや軽さの表現が魅力的な作家さんだと感じます。
それは「軽薄」ではなく・・
目に映る「ものの質量」を正確に表現されていて、目に見えない重力も描かれているように感じます。
それは例えば、金魚の尾っぽであり、少し湿った空気の中で花開く菖蒲であり、
鶴や鷺の羽の先の薄さや根元の厚さでもあります。
私は圧倒されっぱなし。すごい!

また、ものの雰囲気を掴んで、表現されるのも魅力の一つです。
まるで、本当に目の前で生きているかのよう!

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私は現代において日本画の伝統を守りつつ、
岩絵の具という素材の魅力を最大限に生かす、作家さんを他には知りません。
絵を遠くで観るとムラが無く見え、一見「つるっと一色で塗られているのかな?」と思いますが、
近づいて観ると実は多彩な色で形成されています。
思わず・・
こんなに色っぽい絵が描けるのならば「私も岩絵の具で描いてみたい!」と思うほど、魅せられます。
しかし、私の友人は大槻先生の教え子の一人で、先生のように自由自在に道具を操られるようになるには「母を訪ねて三千里」よりはるかに遠い道のりだということを知ってます。とほほ。

今回の展覧会は、ギャラリー空間も魅力的でした。
それは、環境の良さと空間の解放感です。
(ギャラリーのHPはこちら

このギャラリーへアクセスするには・・
まず地下鉄表参道駅を降りて、空を見上げてみましょう。
東京の狭い空に浮かぶ、ヨーロッパ式の塔が目に入れば、それはセントグレース大聖堂です。
住宅街のなかに位置する、その教会のすぐ前にギャラリーは位置します。
とは言っても、
一本道を超えれば大小さまざまな商業施設が建ち並んでいるので、多種多様な人びとの目に触れられます。
それに加え、建物の外観がガラス張りなので、
歩道からギャラリー内の様子が伺え、足を踏み入れやすい環境となっています。

私もいつかここで・・
何て夢を抱いても、数年先まで予約で埋まっているそうです(笑)。お見事!

大槻先生、初個展おめでとうございます!