日本(ひのもと)さんの庭に、一本の木があったとします。この木を「尖閣諸島」と思ってください。木は隣の中国(なかくに)さんの庭との境界線に近いところにあります。中国さんは木が小さいころは何も言っていないなかったのですが、大きくなって柿の実をつけたのをみて突然、「あの木はウチのものだ」と言い始めました。
しかし、木は日本さんがずっと育ててきたもので、日本さんの土地のものであることは、書類上も明らかでした。それでも中国さんは「自分のものだ」と主張し続け、家族にもそう教え込みました。
あるとき、中国さんの子供が日本さんの庭に入ってきて、柿の実をとろうとしていました。それをみた日本さんは、中国さんの子供を制止して「それはウチのものだからとっちゃいけないよ」と注意します。そこに中国さんが出てきて、「何を言っているんだ。この木はウチのものだから、柿の実をとって何が悪い。文句をいっていると、もう近所付き合いしませんよ」と脅しのようなことまで言い始めました。
これがいわば「尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件」です。気の弱い日本さんは「この木はウチのものなんどけど…」と小声でいいながら、子供を中国さんに返しました。
中国さんの家ではその後、子供が「ウチのものをとって、どうして日本さんに怒られなきゃいけないの?」と文句を言い、中国さんは「日本さんが間違ったことを言っているんだよ」と諭します。そして、翌日から中国さんの子供が学校で「日本さんはウチの柿の木を自分のものだと言っている」と言いふらし、同級生の日本さんの子供にもいやがらせを始めました。これが「中国国内の反日デモ」です。
日本さんはこの事態に頭を悩ませますが、「隣の中国さんともめごとを起こしたくない。話し合えば分かりあえる」と、中国さんに話し合いを申し込みますが、中国さんは「間違ったことを言っているのは日本さんの方だ」と言って、話し合いに応じません。これが「日中首脳会談の中国側による一方的な中止」です。
そして、日本さんの家ではもうひとつの問題が起きます。日本さんの庭のもう一方は、露(つゆ)さんの庭と接しているのですが、その境にある池で露さんが鯉を飼い始めたのです。露さんは「ロシア」、池は「北方領土」、鯉を飼い始めたことは「露大統領の北方領土訪問」と考えてください。
池はもともと、日本さんの土地にあったものなのですが、露さんが何十年も前に一方的に「この池はウチのものとする」と言って、垣根まで作って自分の庭にしてしまいました。日本さんは露さんに「ウチのものですから返してください」と、何度も要望してきましたが、露さんは一向に返そうとしませんでした。
露さんが池でついに鯉を飼い始めたのは、柿の木をめぐる日本さんと中国さんの出来事を見て、「日本さんは気が弱いから、もう鯉を飼っても大丈夫だろう」と思ったからです。露さんには鯉を飼うことで、池は自分のものだということを世間に示すねらいがあります。
もちろん日本さんは、鯉を飼い始めた露さんに一応、抗議しましたが、やはり「隣の露さんとはこれから仲良くやっていきたいから、もめごとを起こしたくない」と、それ以上の対応はしませんでした。
この一連の騒動に、日本さんの家庭では、奥さんや子供から「もっとしっかりしてよ」と、日本さんへの突き上げが起こります。しかし、気の弱い日本さんは「冷静に対応しようよ」と言うばかりで、どうしていいかわからず、頭を抱えるだけでした。
この日本さん、中国さん、露さんとの間で起きていることが、菅政権の外交の現状です。これでは中国さんも露さんも「日本さんには何を言っても、やっても大丈夫だ」と思って、今後も態度は変えないばかりか、もっと強い態度に出る可能性があります。世間からも「日本さんは何をされても抵抗できない人なんだ」などと見くびられ、中にはそれに乗じて日本さんに悪さをしてくる人が他に出てくるかもしれません。
こう考えると日本さんがどうすべきだったか、よく分かると思います。日本さんに非はないのですから、中国さんや露さんの横暴に対しては、毅然と対応し、自分の庭を守らなければならなかったのです。国の外交も同じです。言うべきは言い、やるべきことはやらないと、他国から軽蔑(けいべつ)、または甘く見られ、対等に付き合うことはできません。ましてや尊敬されることはないでしょう。
尖閣諸島と北方領土問題がわかりやすい![]()
そんだけです(。・ω・)ノ゙