体育館に戻った時、母と今後について相談しました。


ボクだけでも、例え数日歩くことになってもいいから、警察がいない裏道を通って家に帰ってみるからと提案しました。


しかしやはり、何かあったらダメだからと許してもらえませんでした。 何度も行くと言い張りましたが絶対に許してもらえませんでした。


母はバカが頭に付くくらい正直で真面目な人なので仕方ありません。


それがいい時もあるのですが、昔からこおいう時は足手まといになってしまいます。 とにかく、もはや富岡町に入ることは叶わなくなってしまいました。


猫達を連れてくることもできなくなってしまいました。



Parade Books 「猫之介道中記 しま次郎に捧ぐ・・・ - 原発被災者による真実の記憶 -」 より


文 猫之介  写真(イメージ) nekoneko