石鹸の製造販売はプロにまかせろ その1 | 手づくり石けんの店ツクツクblog

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【石鹸の製造販売はプロにまかせろ その1】

最近、個人によるキッチンソープの販売をよく見かけるけど、どうなっているの、大丈夫なの、といろいろな人から相談を受けました。

それで痛感するのは、そう聞いてくる人たちも法律を理解できていないということです。長く石けん作りに関わっている人でも、法律に関してみんな調べる暇もないしわからないのだなぁと驚きます。

そもそも普通ならそこまで調べることはないのですね。なぜなら答えはシンプルで、人の肌に使う化粧石鹸を販売するには化粧品製造業・製造販売業の許可を取得しなければならない。業者ならば、わからない事は保健所(薬務課)に問い合わせるのが普通です。

許可を取得するのは難しい、でもどうにか許可を取得せずにビジネスをできないかという思い込みや矛盾が引き起こすモヤモヤだと思います。

以前、化粧品と食品は似ているとある人から教わってから、本当にその通りだと思い、全て同様に考えています。

イベントに出店して食べ物を製造販売しているのは業者さん達です。ネットで販売しているのもそうです。無許可の個人が手作りのパンやクッキーを販売していたらびっくりしてしまうのですよね。

パンやお菓子作りが上手な人が、お友達や周りの人にプレゼントしたりして喜ばれる。すごいね、これ売れるよと言われて、パン屋さんになりたいと思ったら、保健所に行ってどうするのか教えてもらい、事業を立ち上げるのです。

化粧石鹸に関してもほとんど同様だと思います。

趣味として個人的に楽しむ範囲を超えて、不特定多数の人に販売・配布したいと思ったのであればそれはビジネスです。個人で楽しむ範囲なら法はあまり関係ないですが、ビジネスなら責任を持って安全なサービスを提供する義務があります。例えボランティアであっても法を犯して良い理由にはなりません。

昔の私は、化粧品の許可を取得せずに石鹸に関する仕事をしていくにはどうしたらいいのかということを真面目に考えすぎていたと思います。石けん教室を開くだけなのか、こういう形の販売はどうだろうか、許可を取らずに消費者を欺かない販売をするために、このケースはどうだろうとか、一生懸命真摯に調べて考え続けていました。友人たちと議論もよくしました。

でも4年前に化粧品の許可を取得してからは、今まで一生懸命考え続けていたことが馬鹿らしくなってしまったのです。シンプルに許可が必要なのだから取得するのが普通。何故許可を取得するのをためらっていたのだろう。立場が変わると、考え方も言う事もころっと変わってしまうものだと感じています。

作り方を教えてもらった、私にも作れた、だから販売したい。そんなに簡単に販売できるものって世の中にあり得るのかなぁと思います。特に食品や化粧品であれば衛生面にも気を使わなくてはならず、だから販売に許可が必要で、専用の製造所が必要なのではないでしょうか。

化粧品の場合はビジネスを始めるには化学的な知識が必要になりますから、自分が知識を持っていないのであればそういう人を雇う必要があります。

先日のインスタライブで森石鹸 @mori_sekken さんに、なぜ化粧品の業許可を取ろうと思ったか質問したら、販売されているキッチンソープについて肌に使えるかと聞いてくる人が多いからとおっしゃっていました。心底驚きました。

キッチンソープだからキッチン用に作られた石けんなので、何故わざわざそれを肌に使おうとする人が多いのかわからないです。キッチン用ということは洗浄力が高めで油汚れもよく落ちるようなものなのだろうと考えます。そして森石鹸さんのキッチンソープはきちんとした表示がされていて検査にも出された物です。

個人的にこのキッチンソープを浴用にしてみようと試すことや、自分が作った石けんが余ったからキッチンにも使おうというのは個人の自由です。
でも販売する側としては用途をはっきり示すのがルールですし、キッチン用だからキッチン用と表示するのが当たり前です。

もしもキッチンソープと表示しておいて、暗に肌に使って欲しいという意図が見えるものは薬機法違反です。ご使用はご自身の判断で、というのも肌に使うことをほのめかしているので違法だと保健所の人から指導されました。

用途が書いていないとか、表示がおかしいとか、検査に出していなかったりするものは家庭用品品質表示法違反です。
そもそも、表示の意味が理解できていないんだろうと思われる案件も多いです。脂肪酸ナトリウムって何ですかとか、キッチンソープのレシピってどこにありますかと聞かれたこともあるんですけど、そんなんで販売を考えているのですか?と聞きたくなりました。

用途をわかりやすく表示する。用途以外に使う事をほのめかさない。法に沿った表示をする。当たり前のことです。

また、販売者の住所を書きたくないというのを聞いた事があるのですが、それは、地域に貢献する意思がなく、ふるさと納税で取り扱ってもらいたいという希望もないという事でしょうか。通常、石鹸の製造販売をするなら事業所や製造所があるのが普通なので、自宅住所を書きたくないというジレンマは起こらないです。

〈続く〉



※今日の写真はできたての包装紙です✨

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