映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の映像美 | 月読草子

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月読文世 @ 文章修行中

 

皆さま、こんにちは。


ポカポカだった三連休も、最終日を迎えましたね。

 

 


先日、プライムビデオで、『人間失格』を発見。


おお!♪ と早速再生ポチッとな。


ところが、始まってすぐに、アレ?となりまして。


生田斗真さん、こんなに顔長くないよな、と思っていたら……。


小栗旬さん!?


あ、私の勘違いだったみたいで。


『人間失格』ではなくて、『人間失格 太宰治と3人の女たち』だったのですね😅
(ちなみに、『人間失格』は有料だったので、またの機会に)


『人間失格 太宰治と3人の女たち』

(監督:蜷川実花 日本 2019年)

 

 


↓借り物
天才作家・太宰治。身重の妻・美知子とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返す-。その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は、作家志望の静子の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄にも救いを求めていく。ふたりの愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが…。


監督は、あの蜷川実花さん。


この作品でも、下品さ一歩手前のキワキワ映像美は健在です。


色とりどりの華やかさで、喀血した太宰に花が降り注がれたり、芝居小屋ばりのライティングだったり。


苦手な方も多そうですが、勘違いで観た気軽さもあって、自分はこのキワキワ感を楽しめました。

 

 


小栗版の太宰はん、私が抱いている太宰像とは、ちょっと違うのですが。


チャラくてコリなくて、ズボラな情の深さで破滅していくヒリヒリ感が、なんともハマっていました。


それに引き換え、女性たちはたくましいですね。


本気で死ぬ気がない太宰を、蟻地獄のように引きずり込んでいく、二階堂ふみさんの山崎富栄。


その感性で太宰に協力しつつ、一番したたかな、沢尻エリカさんの太田静子。


太宰の浮気現場に親子で出くわしながら、「お父さんはお仕事だから」と夫の性格を知り尽くし、彼の文才を誰よりも信じている、宮沢りえさんの津島美知子。

 


そういえば、私はこの映画で、太宰氏のご長男がダウン症児だということを、恥ずかしながら初めて知りました。


当時は今より、さらに苦労が多かったでしょうに。


その上、夫があんなで、と考えると、もう本妻の強さに脱帽です。


お金にも困る中、たいへんなワンオペ育児をこなしつつ、夫に最高傑作を書かせるため、家庭の崩壊を要求する。


『人間失格』の完成と、太宰の死で、彼女のすさまじい愛情は昇華できたのかも知れません。


だからこそ、最後の洗濯物を干すシーンは、ジーンときました。

 


この作品、勘違いで気負いなく観れて、本当によかった😊


これだから、プライムビデオはやめられねぇ~
(あ、やめるんですけどね😁)