- わくらば日記/朱川 湊人
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姉さまの"あの力"は、人を救いもしましたが―。
人や物の記憶が"見える"不思議な力を持つ少女が出会った、
五つの事件、様々な人々、そして人なればこその、
深い喜びと哀しみ
昭和三○年代。当時私は東京の下町で母さまと姉さまと三人、
貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。
姉さまは、抜けるように色が白く病弱で、
私とは似ても似つかぬほど美しい人でしたが、
私たちは、それは仲の良い姉妹でした。
ただ、姉さまには普通の人とは違う力があったのです。
それは、人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力でした……。
★★★
朱川湊人さん、ノスタルジックホラーテイストと聞き、
恒川さんの雰囲気がすごく好きなので、読んでみました。
「わくらば」というのは、「病葉」「嫩葉」「邂逅」etc.書くようです。
「病気におかされた葉」とか「木の若葉」という意味があるそうです。
読んだ後で調べてみましたが、なんとなくそんな雰囲気かなと。
「邂逅」はそのままの意味ですが、たぶん違うっぽいです。
昭和三十年~四十年頃の日本を舞台とした作品で、
祖父母の生きてきた時代を感じさせてくれる内容です。
映画化したらすごく綺麗なんだろうなと思いますね。
表紙の雰囲気をそのまま表せたら、素敵そう。
内容は、ホラーという感じは一切受けませんでした。
ホラーではなくて、ファンタジーっぽい感じ。
姉さまの持つ不思議な力を使いながら、
身の回りで起こる小さな事件から、大きな事件までを
2人の姉妹が解決していく連作短編です。
姉さまの持つ不思議な力は、物や人の記憶を見ること。
その場で起こった過去の出来事を覗けたり、
その人物が体験した出来事を見ることができます。
こういった力があるからこそ、姉さまは悩み苦しみ、
力を使うことで身体の調子も悪くなっていきます。
姉さまの葛藤や苦しみを目の当たりにする妹の口調で、
ひき逃げ事件、女子高生殺人事件、逮捕騒動などの
昔語をするように進んでいきます。
どうも私、こうした語り口調、特に女性の語りが苦手です。
この文体だと、入りにくいんですよね。。。
世界観とか、雰囲気が嫌いじゃないだけに残念でした。
他の作品に期待することにします。
最近、初読の作家さんばかりの感想文になってますね。
毎日のようにこんな台詞を吐いている気がします。。。
人生というものは、時には底が浅く、他愛ないものに思えることもあります。
けれど、それを面白くもつまらなくもするのは、人間の心ひとつなのでした。P184
