黄金蝶ひとり/太田 忠司
¥2,100
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村にねむる想像を絶する宝


5年生の夏休み、洸は物心がついてから1度も会っていない

祖父・白木義明の住む茶木村で過ごすことになった。


アサギマダラという蝶が群れとび、鍾乳洞があり、

豊かな自然が残る村には、山を守る“テツ”がいるという。


「茶木牧場&白木万能学研究所」なる看板をかかげた祖父は、

あらゆることの先生として、村民から尊敬されていた。

だが、なにか皆に秘密にしていることがありそうだ。

村にかくされているという宝と関係があるのか……。


ある日とつぜん祖父が姿を消した。

茶木村を観光地化しようと前村長の不良息子が

会社社長となって戻ってきたのと、関係があるのだろうか。

彼の真の狙いは村の宝にあるのでは……。




★★★★


ミステリーランド19冊目!!残り5冊になりました。

5冊を読み終える前に、新刊が出てしまいそうな雰囲気ですが。笑

刊行されているのを全部読んだら、

自分なりに順番でもつけてみようかと思っています。


今回も初めて読む作家さん、太田忠司さん。

「入り」がすごく面白いです。

『この小説は私が書いたんじゃない。ゴーストライターが書いた』

それが誰なのか推理してくれだなんて、変わっていますね。

大人(?)の私ですら、わくわくさせられたのだから、

子どもが読んだらもっと面白く感じるのでしょうね。



洸(たけし)の祖父が行っている「万能学」が魅力的です。

「マダラアゲハの渡りについて」「災害時の飲料水確保について」etc.

実際に聞いてみたいなぁと思うような講義内容ばかりでした。

子ども向けというのもあって、とても分かりやすく書いていますし、

傍聴させてもらえば、きっとためになるだろうなと。



今回の大きなテーマは、「自然と開拓」でした。

手つかずの村を開拓し、鍾乳洞を売りに観光客を集めるか、

自然を守り、今のままで生活を続けていくか―

その両側からの意見の衝突を間近で見ることができます。

建前とは言え、双方の言い分を聞いてもらって、

子どもたちにどう感じるか聞いてみたいですね。


田舎育ちなので、自然を大事にするか、

観光客集めのために、生活のために、開拓していくか。

そんな問題を投げかけられることが多かったんです。

自分なりに考えたりはしていましたが、

綺麗事ばかりも言っていられないのが悲しい現状ですね。


実際に私が住んでいた島も、橋が開通し、

観光客のための施設が増え、ゴミなどで汚れるようになりました。

けれど、島の人々の働き口は増えたりと…

結局何がいいのかなんて分かりませんが、

ふとそんなことを思い出してしまいました。



話が反れちゃいましたが…

村の宝の発想も面白かったし、不思議な存在テツも良かったし、

個人的には結構お気に入りの作品になりました。

ただ、後半がちょっと駆け脚すぎたのが残念かなぁと。

前半でのんびりページを稼ぎすぎた感がありました。


太田さん、他の作品も気になりますね♪

これは面白い!というのがあったら、教えて頂けると嬉しいです★




既読のミステリーランド

銃とチョコレート /乙一

伯爵探偵と僕 /森博嗣

闇のなかの赤い馬 /竹本健治

ビックリ館の殺人 /綾辻行人

魔王城殺人事件 /歌野晶午

ぐるぐる猿と歌う鳥 /加納朋子

子どもの王様 /殊能将之

酸素は鏡に映らない /上遠野浩平

くらのかみ /小野不由美

鬼神伝 鬼の巻 /高田崇史

虹果て村の秘密 /有栖川有栖

ラインの虜囚 /田中芳樹

魔女の死んだ家 /篠田真由美

ステーションの奥の奥 /山口雅也

ぼくと未来屋の夏 /はやみねかおる

怪盗グリフィン、絶対絶命 /法月綸太郎

透明人間の納屋 /島田荘司

野球の国のアリス /北村薫