大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から
「夜市にいかないか」と誘われた。
裕司に連れられて出かけた岬の森では、
妖怪たちがさまざまな品物を売る、
この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。

夜市では望むものが何でも手に入る。
小学生の頃に夜市に迷い込んだ裕司は、
自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。
野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、
弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。

そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが―。

幻想的かつ端正な文体、
そして読む者の魂を揺さぶる奇跡のエンディング。
選考委員が驚嘆・畏怖した類い稀なる才能の登場。





帯を見てずっと読んでみたいと思っていた作品でした。
表紙も綺麗だし、とても惹かれるものを感じていました。
ホラージャンルになるようですが、読んでみると、
月夜的にはファンタジーな印象を受けました。

予想外のエンディングを期待して読んでいたのですが・・・・
ある程度予想はできていたし、ちょっと物足りなかったです。
夜市の設定や、主人公の葛藤は面白いものがありましたが、
そこまで予想外なエンディングでもないし、
設定がすごいなぁという感じでした。

終わり方は、次に続くような形だったので、
いろいろな想像はできてよかったです。

あまり最初から期待して本を読むと、失敗することが多いので、
期待しすぎもよくないのかもしれません。