入学していたけれど休学していた短大。
後期から復学した。
家を出る事だけを目標に
バイトを掛け持ちして休むことなく働いた。
眠らない私には時間だけは沢山あったから。
人と関わる中で感情が整理出来ない瞬間も多く、
違和感がある日も増していく。
僕が私なのか?私が僕なのか?
後ろも前も見ることなく、ただ生きた。
無事に卒業し就職してから
笑顔が上手く出せない事を激しく指摘される。
同僚と上手くコミュニケーションが取れない事と
子供達が怖がるとクレームがあったそうだ。
渋々、病院へ。
色んなテストをして、カウンセリングをして、
ストレスが引き金で嘘でも笑えなくなる。
顔の筋肉に命令が行かないと伝えられた。
ついでに受けるように
勧められたカウンセリングで、
私は初めて過去に起こった全てを話した。
幾度か通院する中で、
全般性不安障害寄りの
パンセクシャルの傾向と告げられる。
確定の診断では無い。
男になりたい訳じゃない。
女でいたい訳でもない。
誰かを愛せない訳でもない。
全性愛なだけ。
恋愛を経験した事は無いけれど
私が好きになるのは性別、年齢関係なく
生きている人全てらしい。
迎えに来てくれた蒼太に話すと
「お前めっちゃええやん!
俺それなりたかったわ~。
全ての人間を愛せるとか羨ましいわ。
神やんけ~!!?」
と自分の事の様に喜んでくれた。
前向きに自分と向き合える気持ちになった。
いまだに「普通の女性」として
生きてみたかったと思う日もある。
でも好きの種類がわからない。
可愛いから好き
優しいから好き
面白いから好き
美味しいから好き
楽しいから好き
友愛
家族愛
恋愛
母性、父性……
好きってたくさんある。
仲間たちに
彼女が!彼氏が!嫁が!旦那が!と話をされても
私には全くわからない。何も響かない。
わかっていたのは人への感情の持ち方が
周りと違うということだけ。
訳分からんでいる私に蒼太が言ったのは
「謎のもやもやが出現する」
「その人のことばかり考える」
「その人の声を聞きたくなる」
「その人を思うと嬉しくなる」
「笑顔になれる」
これが全部、当てはまる人が
私にとっての恋なんだと……。
そんな日が来るとは
考えてもみなかったけれど。