私の曲の中に「過食症」と言う曲があります。







この曲です。






この曲を作った時は大して深い意味もなく作りました。




もちろん私はこの時にはすでに過食症でしたが。







深い意味なく、というのは、みなさんの反応を考えず と言う意味です。







しかし後にこの曲が私の大きなターニングポイントとなったのです。










ただ食べるだけ、の曲も面白くない。








「食べ過ぎ」とは…







と考えているうちに、今の時代は別に食べ物に限らず、情報、便利さ、全てにおいて私達は「食べ過ぎ」なのだ、と思いました。






みーんな過食症!





食べ物だけでなく、広い意味での過食症。この曲はそう言った意味も含まれています。










私はとにかく恐ろしい程ものを食べます。なにかを忘れる様に、壊すように、祈るかの様に、とにかく食べます。










曲の途中に、この曲をレコーディングした日の食事を読み上げる所があります。







私はこれだけの物を食べてレコーディングをしたのです。






ヴォーカリストとしてはありえない。もちろん失格です。








人間なにか物事に真剣に臨む時は、飢餓状態であることに越した事はありません。








うたう時もちろん苦しかった。






「過食症」と言う曲をうたうにあたって、過食をしてうたったのだからもちろん臨場感は出ていると思います。





でも、「歌」として見た時には、やっぱり失格です。









最後に「苦しい」と入っていますが、私はその言葉を言った記憶がないのです。





いつ録音されたものかわからないのです。無意識に言ったものがたまたま録音されていたのでしょう。






そしてこの曲、録り直しをした記憶もないのです。ほぼ一発録りに近かったのだと思います。





過食をしているから、そんな苦しい状態で何度も録り直す事など無理なのです。






とにかくたくさん食べて食べまくって録った。そのことしか記憶にないのです。









そして私はまるで食べるかのようにものすごい勢いでPVの絵を描いていったのです。





その数は60枚になりました。






過食をした直後「もう二度と食べたくない」と思うのと同じ様に、「もう二度と絵は描きたくない」と思いました。









そしてこの曲がアップロードされる。






一ヶ月が経つ。二ヶ月が経つ、三ヶ月が経ち、半年経つ。








時が経つにつれて、「過食症という曲で月野さんを知りました。自分と同じ想いの人がいる、自分だけじゃないんだって思えました」「たまたまユーチューブで過食症と打って検索したら出て来て、自分と同じで、自分の事がそのまま歌われていて驚きました。」






というメッセージを色んな所から沢山いただいたのです。






私は驚きました。






私はそんな反応を全く予測していなかったからです。










「わかって欲しい、わかって欲しい」という気持ちや、問題提起を意欲的にしようと言う気持ちよりも、ただ正直に素直に、それだけ考えて世に出した物が、こんなに共感を呼ぶとは私自身思っていなかったのです。






でもそれが逆に良かったのだ、と思います。反応を意識して作ったり、嘘を書いていたらここまで共感は呼べなかったと思います。







そもそも、私は嘘を書くことが出来ないのです。嘘を創造し、歌詞に書き出し、盛り込む余裕など全くないのです。









そして過食症の方が、同じ想いをしているお友達に勧めてくれたり、お友達にもプレゼントしたい、と何枚もCDを購入してくださったり…。







最も驚いたのはHPに小学生の女の子から、全てひらがなのメールをもらったことでした。







この曲への反響はとても嬉しいですが、反面 手放しで喜べないなと言う気持ちがありました。






それほど食に振り回され、悩まされている人がいると言う事だからです。






私はせめても…と思い、CDの値段設定を過食症の方は安く設定しました。(もちろん過食症だけでなく、拒食症の方もです。摂食障害を持っている方は、誰でも。)






しかしそれのせいでライブ会場でCDを買う時に、「私は摂食障害です」と自己申告をしていただかなければならず、それはとても告白するのに勇気がいる事だと思うので、「言いにくい事、知られたくない事を言わせてしまったのではないか」と よかれと思ってやった事で、自分の浅はかさに苦しんだものです。






もちろん言い出せず、普通料金で買って頂いた方もいるでしょう。








ライブでうたう時も、祈る様にうたっていたのを思いだします。







今、この曲を同じ想いをしている人に是非聞いて欲しいと思う様になりました。
(「過食症」が入ったCDは完売しましたのでユーチューブでしか聞けませんが…)






本当にこの曲を作ってよかった、と思っています。










食に関してですが、食は一歩間違えると本当に取り返しのつかないことになります。





間違った食が癖になり、習慣になり、それが当たり前になる。とても恐ろしい事です。でも、止められない。









私は最近、撮影をしました。




写真を発表していないだけで、撮影は常にしているのです。




正しく言うと、発表していないのではない。発表できないのです。







出来あがった写真を見て、カメラマンの人が「とてもいいのが撮れましたよ!とてもいい笑顔です!」と見せてくれるのですが





とんでもない!!!!!!!!!!!!!!!!





そこに写っている私の顔はこけ、顔色も悪く、酷いクマ、とても疲れた表情。暗い顔。






どこに笑顔の素敵な私が写っていると言うの!!と叫び出した程です。





とても発表なんて出来るものではありませんでした。







カメラマンの方に「申し訳ありませんが、今回の写真は見送って下さい。」






そんなことがもう何度も続いています。










今の時代、写真はいくらでもごまかせる、修正できる。




でもそこにあった私の顔はそんな修正ごときで隠しきれる程のものではなかったのです。







私は自分のかわいそうな写真を出して、同情をさそい共感してもらおう!なんてみじんも思わないのです。







挙げ句には久しぶりに会った人に「こけたね。やつれたね。」と言われる始末。










これは全て自分の責任です。私が自分でなんとかするしかありません。





写真に写った私は、それほど悲惨だったと言うことです。








自分が情けない。







「過食症」と言う曲を自分でも見直さなければいけない時が来ました。





この曲を作った時より、事態は深刻になっているのです。





そして、日が経てば経つ程、自分の身体は蝕まれて行く。(もちろん情報の食べ過ぎも注意!)





気付けば私は、食べ過ぎた時や眠る前、頭の血管が切れるのがわかるまでになりました。








これではいけない。





もっともっと危機感を持たなければ。危機感を嫌でも持たざるを得なくなってからでは遅い。




自分は自分で守らなければ。




そう強く感じています。




















月野恵梨香出演情報!

2013.09.28 新宿Jazz Barサムライにてやくみつるさんと「国語力のある歌」についてトークライブを行います。

 
*トークライブに関しまて

18時~20時までを予定しております。30人程の狭い場所です。

ご予約はHP「密告箱」 月野恵梨香Twitter  Facebook ブログメッセージ いずれかにご連絡下さい。


 







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