こんにちは
今日はエリザベートのお気に入りのシーンを
ご紹介させていただきたいと思います。
初めてエリザベートを鑑賞してから今日まで、
エリザ熱を冷ますことなく来ましたが
お気に入りのシーンは割と変化しています。
今現在、1番のお気に入りのシーンは…
「悪夢」です!
ルドルフを亡くし、失意の中放浪の旅を続けるエリザベートと、それを追うフランツが
悲しみに暮れながら夜のボートを歌い上げたあと。二人の心の決別が定かになったあとに、このシーンは、あるべくものとして用意されているのだと感じました。
とても「静」的なシーンから
登場人物全員の感情が露わになる「動」的なシーンへの対比が良い効果を出し、
印象に残るシーンとなりました。
ここは、観劇した時は、
もうついていくのがやっとだったように記憶しています。予備知識ゼロでの観劇でしたし、
なんかトートが怒ってるくらいなものだったのでは…記憶すら定かではなし(ここは正直に言います)
全てを掌握している黄泉の帝王、トートが
今まで以上に感情を剥き出しにして
エリザベートを巡ってフランツと争う、
あの短いシーンに
トートの全てが詰め込まれている気がします。
そして歌詞がもう…
10回くらい繰り返し視聴して
ようやく全容を聞き取れたんですけど
その歌詞がとにかく好きです。
これは悪夢か
正夢になるさ、お前が招いたんだ
皇后の姿がない
エリザベートはわたしのもの
我が妻だ、恥を知れ
彼女は俺を愛している
何を戯けたことを、彼女のために全て与えてた
俺だけが与えられる、自由を
彼女を救わなくては
鎖を解くのだ、救うのはこれだ
刃物だ
ルキーニ、早く取りに来い
(こんな感じ。頼りなき耳)
彼女のために全て与えてきたというフランツ。
それに対して、彼女が一番求めている自由は、俺にしか与えられない。と打ちのめすトート。お前が与えてきた全てのものは、エリザベートにとってはなんら価値のないものなのだと。
そして感情が剥き出しになったまま、最後の
ルキーニ、早く取りに来い、と
叫ぶトート。
もうたまりません…。
そしてこのやりとりを取り巻く
アンサンブル。
もう全てが私のツボで…。
フランツは、もう最初から完敗なわけで
だって相手は「死」
叶うわけがないのです。
オーストリア皇帝といえ、トートからすれば何の力もないただの人間なのですから。
でも、エリザベートの生涯を描くこのお話の中で、唯一エリザベートを幸福で包み込んだのは、一部冒頭の「あなたがそばにいれば」だったのも間違いないと思うのです。
二人寄り添っていれば、全てに堪えることができる、と希望に満ちた表情で歌い上げた二人。
トートに言わせれば、
それこそが不幸の始まりなのでしょうが。
その、立ち向かえる相手ではないはずの「死」とここまで戦ったフランツにも、私は敬意を払うのです。(もうボロボロでしたけど)
ちなみに、このブログで好き放題感想や思いを語りたいとは思っていますが、大前提として今回のこのエリザベート、
ダブルキャストに関して優劣をつける気は全くありません。
どの役も、ダブルキャスト・トリプルキャストそれぞれ魅力的です。いうまでもなく。
ただ、この悪夢のシーンに関してだけは
井上芳雄さんのトートが圧勝でした。
この感情溢れるやりとり、魂のぶつけ合いを、かなり高いレベルで音楽に落とし込んでいるのは、もう井上さんの圧倒的な歌唱力がそうさせているのだと思うのです。
山崎育三郎さんの悪夢は、
ちょっと、すみません、DVDを待ちます
(これだけお二人バージョンの動画を観続けたら
そりゃ薄れるわよ…。)
ということで
長くなってしまいました。
まだまだ続けられそうですが、とりあえずこの辺で…