トヨタなど最高更新 自動車大手8社の世界販売


産経新聞

 自動車大手8社が30日公表した平成30年の世界販売台数は、トヨタ自動車など5社が過去最高を更新した。スズキのインドや三菱自動車のインドネシアなど、新興国市場を得意とする企業の好調さが目立った。一方、最大の市場である中国ではホンダが6年ぶり、マツダが5年ぶりに前年割れとなり、減速傾向が鮮明となっている。

 トヨタの世界販売は単体で前年比1.7%増の約954万2千台、子会社のダイハツ工業、日野自動車を含めると2.0%増の約1059万4千台と、いずれも過去最高。てこ入れした中国での販売が14.3%増となり、全体を牽引(けんいん)した。中国政府が輸入車への関税を引き下げたことで、主に日本から輸出している高級車ブランド「レクサス」の価格競争力が高まった。

 だが、トヨタや日産自動車以外は中国での苦戦が目立つ。ホンダは売れ筋のスポーツ用多目的車(SUV)「CR-V」のリコール(回収・無償修理)問題が痛手で、前年を1.8%下回った。新型車の投入が年終盤となったマツダも、12.0%減と落ち込んだ。中国の市場環境は悪化しており、30年の新車販売が28年ぶりに前年割れとなった。

 スズキはインドでの販売台数が8.9%増の約175万2千台と、7年連続で増加。三菱自はインドネシアの販売が83.8%増の約14万7千台と大幅に伸び、同社にとって最大の市場になった。マツダ、SUBARU(スバル)も世界販売が最高を更新した。