トヨタ、新型「スープラ」(日本仕様)概要発表。直6エンジンの「RZ」、直4エンジンの「SZ-R」「SZ」の3グレード展開


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 トヨタ自動車は1月14日(現地時間)、米デトロイトで開幕した「2019年北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)」で、新型「スープラ」の市販モデルを世界初公開した。

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 2002年に生産を中止したスープラは、2018年3月の「ジュネーブ国際モーターショー」でレーシング仕様のコンセプトモデル「GR Supra Racing Concept」として復活。以降、新型スープラの試作車などが披露され、今回のデトロイトモーターショーではいよいよ市販モデルが公開された。日本での発売は今春を予定している。

 今回、その新型スープラの日本仕様の概要もアナウンスされた。発表によると、直列6気筒3.0リッターツインスクロールターボエンジンを搭載する「RZ」、直列4気筒2.0リッターツインスクロールターボエンジンを搭載する「SZ-R」「SZ」の計3グレードを展開。いずれのモデルも卓越したハンドリングや安定したコーナリング姿勢を実現するため、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3点を最重要視し、ピュアスポーツカーとしての理想を追求したという。
まずホイールベースについてだが、新型スープラでは2シーターに割り切ることで「86」よりも100mm短い2470mmを実現。ホイールベースとトレッドの比率は1.55としており、他の量産スポーツカーと比べてもトップレベルの小さい数値を実現。また、水平対向エンジンを搭載する86よりもさらに低い重心高としたほか、前後重量バランスは理想とされる50:50を実現した。

 パワートレーンでは、歴代スープラに搭載されてきた直列6気筒エンジンの伝統を継承するRZの6気筒エンジンは、最高出力250kW(340PS)/5000-6500rpm、最大トルク500Nm(51.0kgfm)/1600-4500rpmを発生。対する4気筒エンジンはチューニングの異なる2種類のスペックが用意され、SZ-Rでは最高出力190kW(258PS)/5000-6500rpm、最大トルク400Nm(40.8kgfm)/1550-4400rpmを、SZでは最高出力145kW(197PS)/4500-6500rpm、最大トルク320Nm(32.6kgfm)/1450-4200rpmをそれぞれ発生する。

 デザインコンセプトには「Condensed Extreme L6 FR“TOYOTA”Sports」(Condensedは“凝縮された”、Extremeは“過激な”の意)を掲げ、エクステリアではショートホイールベースと大径タイヤによってタイヤの存在感を強調するサイドビュー、2シーターらしいタイトなキャビンとワイドトレッドからなるスーパーワイドスタンス、そして直6エンジンを搭載するFRモデルらしいロングノーズショートキャビンシルエットなどを特徴点として挙げる。

 また、「トヨタ 2000GT」で用いられた空気抵抗低減に寄与するダブルバブルルーフ、トヨタ 2000GTや4代目スープラで採用したランプを車両内側に寄せることでフェンダーのボリュームを豊かに見せ、凝縮したボディデザインとする手法を用いることで、トヨタのスポーツカーの伝統を継承したという。

 一方、ボディについてはアルミニウムと鉄を用いた骨格構造と、異なる素材同士の接合強度を追求したことで、86比で約2.5倍のボディ剛性を実現。これはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)キャビンを採用したレクサス「LFA」を上まわるという。

 サスペンションは新設計のフロント:ダブルジョイントスプリングストラット式、リア:マルチリンク式を採用してバネ下重量の低減とともに、高い組み付け剛性を実現。一部グレード(RZ、SZ-R)では「アダプティブバリアブルサスペンションシステム」を搭載し、選択中のドライブモードや路面状況に応じて4輪のショックアブソーバー減衰力を最適に制御し、走りと乗り心地を高次元で両立したとのこと。また、VSC(車両安定性制御システム)と連携しながら、電子制御多板クラッチによって後輪左右間のロック率を0~100の範囲で無段階に最適制御する「アクティブディファレンシャル」も搭載している。

 インテリアは上下に薄いインパネと高く幅の広いコンソールによる、典型的なFRスポーツカーの空間に仕上げるとともに、シフト・バイ・ワイヤ式のシフトレバー、8.8インチのTFTメーター、大型フルカラーヘッドアップディスプレイによる運転席中心でタイトな新世代コクピットレイアウトを採用した。