「愛ルケ」コンビの豊川さんと寺島しのぶ主演
「やわらかい生活」のDVDをやっと観る。



豊川さんのスタイルが抜群にイイ。
笑顔もいっぱいでてくるし、豊川ファンは
かぶりつきの作品だ。


寺島しのぶも、ナチュラルでいい。


「愛ルケ」のような究極の性愛とは正反対に
主人公は“誰でもいいと思いながらしか、
抱かれたことがない”という躁鬱病の女。



出会い系サイトで男と出会いセックスする女 優子。
紳士的な痴漢男(田口トモロヲ)、
大学時代の友人であるED男(松岡俊介)
ウツ病サイトで出会う気の弱いやくざの男(妻夫木聡)
やさしいがダメ男で初体験の相手の従兄弟(豊川悦司)
らの個性的な男たちの間を行き来し関わりつつ、
やさしい時間を過ごしていく優子。


躁の時は、出会い系サイトで男を探し、
セックスを繰り返し、紳士的な痴漢男と
逢瀬を重ねる。
そして鬱になると部屋に引きこもり、
クスリ漬けになる。



でも、エロいとこはほとんどなく、
痴漢男の運転する車の助手席で優子は
バイブを入れて、一人で感じてるとこくらいかな。
痴漢男は、挿入しないで、さわったり、エロイこと
させて見ているのがイイみたいな男。


行動に意味がなくても病気だからということで
ちょっと感情移入しづらい話ではあるが、
たまにはこういう作品もいい。



原作では、彼女がなぜそうなったかとか
病気になる前の彼女とかも描写されていたから
ものすごく共感できたし、せつなかったが、
映画では背景を全く描いてないので
感覚的に観るって感じかな。


辛いことがあって、それが抱えきれなくなって
心を閉ざした時、「病気なんだから」って
免罪符をもらうと楽になれるんだろうな。


そして、もう頑張らなくていいんだよって
自分を休ませたり、解放できるのかもしれない。



今回の豊川さんは主人公 優子(寺島しのぶ)
の従兄弟の祥一役。
従兄弟なのに優子の初体験の相手というダメ男。

子どもができて、妻がかまってくれないからと
他に女を作り、別居はするわ、自営のカラオケ屋も
つぶすわというダメダメっぷり。

女を追って東京へ来たもののその女の部屋にも
入れてもらえず優子のとこに転がり込む。

男の人って、いつまでも自分が子どもでいたい人って
女の人が子どもにかかりっきりになると
他に自分を一番かまってくれる人にいっちゃう
人って多いね。
逆に女もそうなんだろうけど。


よかったシーンは、優子の部屋に居候していた
従兄弟の祥一が九州に帰っていく時、
車の中でさよならをするところ。
ほおずきを口に入れてぶーって鳴らす優子。
別れのキスをする祥一。
(けっこうここ執拗なキスだったよ、豊川さーん。)



キスの後、ほおずきが祥一の口に移ってる。
優子が「返せ」ってかわいく言う。
祥一は「今度な」って口に入れたまま
行っちゃう。


豊川さんが尾崎豊の「I love you」と
「ダンスホール」を歌うシーンがある。
「ダンスホール」は、カラオケ屋で
一曲まるまるワンカットで歌うんだよ。
こういう無駄なシーンはあってもイイ。
豊川さん堪能できて、イイ。


原作はとても前向きなラストなんだけど、
映画は絶望的なラストだった。


あまりにあっけなくて、観た瞬間はただ
「えええーっ」って驚いた。

あとで、じんわりと寂しさがこみあげてきた。

淡々と感情を深く描いていないのに最後は
こんな仕打ちか……と、悲しくてせつない。



やわらかい生活

「やわらかい生活」のワンシーン。
鬱状態になった優子は何もしないでひきこもる。
クスリをもらってきたり、髪を洗ってやったり、
食事を作り、食べさせると甲斐甲斐しく世話を
する祥一。
でも、優子の我がままが図に乗った時、
祥一もブチ切れる。
何でもかんでも受け入れないとこが
逆にリアルでいい。



やわらかい生活 金魚.
   ↑

「やわらかい生活」DVDより

金魚を買ってきて、ボールに入れ、二人で見つめる。

「うどん」と「そば」って名前をつける優子。




やわらかい生活 豊川
   ↑
豊川さんのとびきりの笑顔。

「やわらかい生活」DVDより

優子にご飯をつくってあげる祥一。




やわらかい生活 豊川笑顔
   ↑


イッツオンリートーク
 ↑

原作「イッツ・オンリー・ザトーク」
この作者の本は初めて読んだが、
淡々としてサクサク読める。
ほんわかした中にも時折ドキリとする
性描写があって、なかなかおもしろい感性。