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「一本の樹の中にも流れている血がある

そこでは血は立ったまま眠っている」




この一つの詩から、作られた舞台だそうです。

寺山修司さんの処女戯曲を蜷川幸雄監督が演出した舞台に行ってきました。

主演は森田剛くん。

ですが、え、剛くん主演なの?って思うほど、出番が少なかったように思います。
他のキャストの個性が強く、それぞれのキャラクターが濃かったです。

そもそも私は見ていて全く意味がわからず、口半開きで情けない顔をしていることしか出来ませんでした。

シリアス?コメディ?一体何?

何もわからないまま舞台は終わってしまい、見る前にどういう内容なんだか調べておけばよかった、とかなり後悔して帰宅。

パンフを読んでいたら、寺島しのぶさんのインタビューで

「この芝居、お客さんは絶対わからないと思うんですよ。演じる私たちも同じで、最初にホン読んだとき「全然わっかんない!」と思いました」

にだいぶ救われました(笑)

よかったーわかんなくて正解なんだー

確かに、出て数十秒で犯される役なんてそうそうないですよ。

犯されながら「何かが始まるかもしれない…」って気づくことを、なんて素敵なんだろう!って感想が出てくる寺島しのぶさんて、凄い人だなぁと思いました。




シアターコクーンって、舞台の扉をあけるとそのまま外に出られるんですね。普通の一般道です。

最初に役者さんが外から入ってきて、最後に外に出て行って終わるんですが、何せ舞台でかなり奇抜な格好をしている皆さんですから、知らずにたまたま外歩いていた人はかなりびっくりするんじゃないかなぁって思いました。

しかも私が見た回は夜で

私がもしそんな場面に遭遇したら、怖くてしばらく暗いうちは外を歩けないような気がします(笑)

剛くんの役(良)が17歳の役だったのにも驚きましたが、そのお姉さん(夏美)役の寺島しのぶさんが18歳の役で更に驚きました。

しかも一人称が自分の名前で、「夏美は~」って言う度にもしかしたらここは笑いどころなんじゃないかという思いが湧いてきて、なんだか失礼でスイマセン

でも頭の良い役みたいだったのに一人称自分の名前はないだろって思って

灰男さん(窪塚洋介)のキャラの変わりっぷりにも驚いたし

良はすっごく可愛かったですね

結局、彼は何のために騙されて、何故夏美は殺されるハメになったんだかさっぱり分かりませんでした。

灰男さんと、夏美の口から伸びていた赤い布は、血ですか?

やっぱりギャグか!と思った

なんか舞台って、笑うとことそうじゃないとこの判断が難しくて…

まぁ多分、全然笑うところじゃなかったと思いますけど。

周りに泣いてる人いたしね…

内容理解してたのかなぁ。凄いなぁ

席が遠かったので、役者さんがなんとなくしか見えなくて、ずっと小さい女の子なんだと思っていた人がパンフ観たら実はおじいさんで、ずっと感じていた違和感の謎がとけてよかったです。

あと、アタ男の井上さん(江口のりこ)が出ていたのも後で知って、なんだかちょっと悔しい

全然気づかなかった

舞台を見るときは、多少パンフレットを読んでおいた方が良さそうですね。

君子役の方がこの日は体調不良になってしまったらしく、代役の方が出てらっしゃったのですが、名前が見たことない方だったので誰だったのかわからず

私の中で、君子が主役並の存在感だったので、なんだか残念

自殺している男の人を囲んで皆が平然としているなか、「私、悲しいわ!」ってセリフがなんだかお気に入りです。






観た直後は、「訳わかんない!」って思っただけでしたが、パンフを観て、改めて考え直してみると、また違った感情も出てきて

なんだか本当に不思議ですね。

意味は、いまだにさっぱりわからないんですけど(笑)