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月灯りの舞

自虐なユカリーヌのきまぐれ読書日記

「CREA」9月号は『食の本の大特集』号。


料理家、フードブロガー、蔦谷書店 料理コンシェルジェの
食の本を愛する女性三人の「食の本ツウ」座談会や
小説の中の美味しいシーンを集めた
「思わずヨダレの味わい小説」とかおもしろい。


10人の目利きが選ぶ「どうしても手放せない食の本3冊」は、
三冊の本をいろんな所に並べて撮影していて、
本そのもののデザインも素敵だし、そのレイアウトもいい感じ。


食の本が読める書店、bookカフェ紹介も、
行きたくなる本屋さんばっかり。


「フードマンガ100冊」は圧巻。
『フードホラーマンガ』のジャンルに
「寄生獣」が入ってた。


CREA (クレア) 2014年 09月号 [雑誌]/著者不明
¥780
Amazon.co.jp

「マティーニからはじまる夜 読むお酒」
東 理夫 (著)
有楽出版社/2014.6.28/1600円


マーロウのギムレット、モンローのマティーニ、
ホームズの朝酒、ヘミングウェイのモヒート…。
酒神が演出する名場面で語られる粋な話の数々。
お酒のお供の極上エッセイ!
              <帯より>



■1章 マティーニからはじまる夜 - バーに酔う


■2章 酒とバラの日々 - 音楽に酔う


■3章 ガンマンとシャンペン - 映画に酔う


■4章 幻の女 - ミステリーに酔う

■5章 ヘミングウエイのモヒート - 文豪に酔う



小物から映画、小説まで、お酒にまつわるお話が
章ごとにつづられる。


アメリカ文化に精通している著者だけあって、
さらりと薀蓄が入っていて、それが鼻につかなく、
心地よい文章で、酔わせてくれる。


お酒が登場する映画や映画のタイトルがついたカクテルの話など、
映画レビューも交えての「映画に酔う」の章が興味深い。



今度、私が出演する「よねべしるべ」も酒のシーンがある。
うまく“お酒”を小道具にして、見せられるかな。


マティーニからはじまる夜/東 理夫
¥1,728
Amazon.co.jp

息抜きに 映画本。


「本当に怖い映画100本
   シネマニア100 永久保存版」

エンターブレインムック DVD&ブルーレイでーた
KADOKAWA/2014.8.15/1300円


映画マニアにきいた怖い映画10本の
アンケート結果のTOP100(2009.10月)


総評では、映画評論家&映画ライターの
TOP10とコメントもあり、
「人は何に恐怖を感じるのか」を、検証。

 


ランキングの後は、圏外作から厳選の
「私だけが知っている マニア20本」紹介。


「映画の中の殺人鬼大全」や
恐怖を探究するプロ9人の選ぶ
「本当に怖い3本」も興文深い。


Jホラー映画クリエイターのトーク
「怖い映画の作り方」や
「怖い映画音楽」など、
恐怖をキーワードに盛りだくさんな内容。


人によって、怖いと思う感覚は違うけれど、
「怖い」という感覚は一番表現しやすいのか、
様々なジャンルから怖さが生まれる。

人の闇は深く、怖く、
実際の事件の方が怖いのだけどね。


シネマニア100 本当に怖い映画100本 (エンターブレインムック)/著者不明
¥1,404
Amazon.co.jp

「芸術新潮」 2014年8月号の特集は
「女と男のヌード」!


ポップかつ嗜虐的な現代アートのヌードから、
濃厚なエロスを纏う写実派の裸婦まで、
ヌードの現在のさまざまをレポート。


写実画の諏訪敦に会田誠だもの、
食い入るようにみつめてみた。

「諏訪敦的偏愛ヌード12選」がたまらん。

古今東西のヌードの中から、諏訪敦が気になったる
ヌード、忘れえぬヌードを解説つきで紹介。

彼が自分の意思で初めて買ったヌードは
ムンクの「思春期」だそう。
大学時代にインタビューに耽溺したという
バルテュスの「鏡の中のアリス」も。


芸術新潮 2014年 08月号 [雑誌]/著者不明
¥1,440
Amazon.co.jp

テレビマンが語る 移植の映画論を文庫で読む。


「ヒット番組に必要なことはすべて映画に学んだ」
吉川 圭三 (著)
文藝春秋 (文春文庫)/2014.6.10/)


「特命リサーチ200X」「恋のから騒ぎ」
「世界まる見えテレビ特捜部」など数々の
ヒット番組を手がけ、ビートたけしや明石家さんま、
所ジョージが信頼するテレビマンが、
古今東西の映画を腑分けし、
「人間は何を見たいのか」を徹底的に分析する。
映画からどうやってヒントを得て、
テレビ番組づくりに活かすのかという発想法も満載。
              <裏表紙より>


映画狂で、高校時代に映画を作ったことが
原体験となり、クリエイティブの世界へ。


でも、映画界ではなく、テレビ界へ。
しかもドラマではなく、バラエティ。



著者は様々な映画からヒントを得て、
番組作りに活かしていく。


ヒット番組の着想になった話や番組秘話などを
交えつつも著者の大好きな映画が
たくさん登場し、その映画の見どころも
語られるという もの作りをする人には
読み応えたっぷりの本。


業界の人の自慢話ではなく、映画愛を
感じる本で、好感がもて、
ジャンルごとの映画論もおもろしい。

ヒット番組に必要なことはすべて映画に学んだ (文春文庫)/吉川 圭三
¥605
Amazon.co.jp


「CUT」7月号の特集は
「マンガと映画が愛しあうとき」。


過去の名作からこの夏公開までの、
マンガが原作の映画をCUTならではの
切り口で検証。


原作マンガに思い入れがあるほど、
映画にされたら、観ないとか、ガッカリという
ことは多かったが、最近はそうでもないような
気がする。


別の表現作品として観られれば、だけど。

もちろん染谷将太主演の「寄生獣」も楽しみだが、
「CUT」が選ぶマンガ映画10本や
「TOKYO TRIBE」園子温×井上三太
完成直前インタビューもとてもよかった。


そして、「3つの『オールド・ボーイ』、徹底比較」が
興味深い。
マンガ原作のファンだが、韓国版も印象深く、
次はハリウッド版も期待できそう。



★「オールドボーイ」韓国版映画の感想(2005.2.13)
http://ameblo.jp/tsukikagenomai/entry-10000776609.html



★「オールドボーイ」漫画の感想(2004.11.15)
http://yaplog.jp/tsukiakari/daily/200411/15


Cut (カット) 2014年 07月号 [雑誌]/著者不明
¥710
Amazon.co.jp


今年も半分終わったが、この半年間に劇場でに観た映画は
26本。
そのうち邦画が20本。


先週も、「渇き。」「そこのみにて光輝く」と
続けて邦画を二本観たが、この二本は
かなりヘビィで、観終わってもいろいろと残るものがあり、
考えさせられた。


ちょうど「キネマ旬報」7月上旬号の
巻頭特集が『「ヘビィ」な映画』で、
「渇き。」が取り上げられている。


原作は、原作者 深町秋生が、鬱々としたものを
文字にして吐き出してできたものだとある。
確かにこの映画はネガティブなものから生み出されている
と感じた。

人のダークな部分。

画家でも作家でも何か表現する手段がなかったら、
アブナイ方向に走っていたという人は多い。

それだけ負の力というのは深く、激しく、
狂気を何かに昇華していけるかどうかは
紙一重なのだろう。


大好きな精神科医 春日武彦先生のコラム
「性グロテスク説のこと」も掲載。
人間らしさの欲望について書かれていて
おもしろい。
グロテスクなものに惹かれる好奇心が
本質なのだろうと。


キネマ旬報 2014年7月上旬号 No.1665/著者不明
¥918
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これは、かなり前に読んだ本だけど、
装丁に関する本二冊。



●「装丁物語」和田誠:著
白水社/2016.12.1/1000円


人気と信頼を誇る装丁の第一人者が、
読者の印象を高め、書物に新しい生命を吹き込ませるための発想の
コツとノウハウを、おなじみの絵はもちろん、
文字使い、用紙、色彩など多岐にわたるデザインと、
作家たちとの交流を中心にさまざまな局面から書き下ろす、
もうひとつの本の物語。
             <解説より>



谷川俊太郎の「けんはへっちゃら」という童話が好き。
これは表紙と挿絵も著者が描いている。


7章「映画の本の装丁」では、著者が手がけたたくさんの
映画本が紹介されている。
装丁だけでなく、イラストはもちろん、レイアウトもされ、
スターの似顔絵も。


16章「自著の装丁」はとても興味深い。
和田誠という作家の本を和田誠という装丁家が
デザインするという気持ちなんだとか。

でも、自著のものはあえて愛想のないデザインを
してみたり、安上がりに帯をなくしたりと、
実験的な試みをしたりもするそう。



●「装丁問答」
長友啓典 (著)
朝日新聞出版/2010.12.10/780円



本の装丁は「時代」をうつす鏡。
第一線で活躍するグラフィックデザイナーで
装丁家としてのキャリアも長い筆者は、
本屋さんを“徘徊”し、ジャケ買いを楽しむ。
出合った装丁の魅力を、あつく語る、
本を愛する人に贈るブック・エッセー。
        <表紙 折り返しより>


そっけない装丁の新書だけど、
熱く装丁について語った本好きの本。

装丁物語/和田 誠
¥1,944
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装丁問答 (朝日新書)/長友啓典
¥842
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「プロのフライヤーレイアウト」
フレアグラフィック社
2014.1.25/2400円


映画・アート・音楽・演劇の
デザインアートの本。

フライヤーを紹介し、コンセプト、構成、
バランス、色、キーポイントなど、
様々な観点から分析していく。

フライヤー好き にとって、とても勉強になる。



プロのフライヤーレイアウト 映画・アート・音楽・演劇のデザインアイデア/著者不明
¥2,592
Amazon.co.jp



今月の「Pen」(6/15号)の特集は、
「手に取りたくなる 美しいブックデザイン」


ブック・デザインのトレンドのほか、
名作の数々で本とデザインの歴史を
ひも解く。


電子書籍が発達し、スマホやネットで
“本”を読んだとしても、やはり紙の本には
手触りと、装丁の楽しみがある。


村上春樹の小説「色彩を持たない多崎つくると、
彼の巡礼の年」が世界で訳されているが、
国によって装丁が違い、その多種多様性に驚く。

とてもデザイン性が高く、表紙を見ただけで、
想像力をかきたてられる。


見ただけで、読書欲をかきたてられる本、
シリーズものの連続性の計算されたデザイン性、
シンプルなのに強く印象づけるものなど、
素敵な装丁があふれている。


本は小さな世界。
そして、表紙はその未知の世界へ誘う。


Pen (ペン) 2014年 6/15号 [美しいブック・デザイン]/著者不明
¥680
Amazon.co.jp