私は顔は覚えてないのですが、小さい頃義父の他に「パパ」と呼んでた人に、2・3回会ったことがあります。

 

 それが実の父だったと思います。

 

 私が実の父に、「本当のパパだよ」と会ったのが、中学生の頃でした。

 

 小さい頃から、義父が本当のパパだと思っていたし、そう思っていたかった・・・。

 

 義父に「パパはお前の本当のパパではない!他にいるんだよ!」と言われても、信じたくなかった・・・。


 母は、本当のパパの存在を私に教えるようになってから、実父の悪口を私に聞かせ、事あるごとに、

 

 「お前は向こうのパパにそっくりだ!向こうのパパの所に行ってしまえ!」

 

 と、言うようになりました。

 

 それが物凄く嫌で、悲しくて、いつの間にか実父を憎むようになっていました。

 

 でも心の中で、実父に求めていたものもあります。

 

 愛情です。

 

 でも素直になれない私は、素直に会いたいとは言えず、いつもお金を要求していました。

 

 会う理由が欲しかったのです。

 

 最初の頃は、実父は私の年齢も覚えていなくて、そしていい事を私に話していました。

 

 「お前の為に、お前と別れてからずっと貯金してある」←嘘です。

 

 「認知もしてある」←嘘です。

 

 「お前を引き取りたかった」←たぶん嘘です。

 

 実父には、すでに家庭がありました。性格に言うと、(28歳の時に知った事実)実父と母は不倫で、私は不倫の子だったのです。

 

 実父には、子供が二人います。私より大きい年の男と女だったと思います。

 

 しかし、この子供は奥さんの連れ子で、実の子供は私だけなんです。

 

 私が20歳を過ぎた頃、実父の娘さんが結婚をして、孫が生まれました。

 

 私は、昔から実父に会うと、胸がいっぱいになり、油断をすると涙がこぼれそうになっていました。

 で

 も孫が生まれてから、私と会っていても、話す内容は娘と孫の話ばかり。

 

 とても可愛くて仕方がないようでした。

 

 私は、涙がこぼれるのを抑えるのが精一杯でした。

 

 実父と別れた後は、泣きながら車を運転して帰りました。

 

 でもそれでも会いたかった・・・。

 

 でも、私にも限界が来てしまい、実父に手紙を書きました。確か23歳の頃です。

 

 「今の父親は、養子縁組をして、私を戸籍に入れてくれています。感謝しています。パパにも家庭があって、孫もいて私は邪魔な存在だと思います。今まですいませんでした。私はこれからも、○○の娘として生きて行きます。パパもパパの家庭を大切にして下さい。もう2度と電話も手紙も書きません。ありがとうございました」

 

 こんな内容の手紙を、実父に出しました。

 

 少し期待していました。実父から電話が来る事・・・・。

 

 でも来ませんでした。

 

 

 月日は流れ、娘が生まれた時、娘の写真入年賀状を送りました。

 

 約束違反でしたが、どうしても実父に見てもらいたかったのです。

 

 その時電話を貰いました。嬉しかったです。お祝いをくれると言う電話でした。

 

 会わせたかった・・・。でも未だにその後電話はありません。。。


 

 私と実父は似ているそうです。性格も歩く姿も、食べ物の好き嫌いも。

 

 確かに実の父親だと思います。

 

 もっと甘えたかった。意地を張らずに言えばよかった・・・。

 

 後悔先に立たずですね。

 

 今私が住んでいるところから、車で15分くらいの所に住んでいます。

  

 

 今更会いに行けませんよね。

 

 たぶん私から手紙を貰って、ホッとしていると思っています。

 

 何も伝えること出来なかった、何も聞けなかった・・・・。

 

 実父の中では、私は別れた頃の赤ん坊のままなんですよね。

 

 「かわいかった」といつも言っていましたから。。。

 

 実の父に関して、知っていることは、これがすべてです。