専門学校でうちのクラスは男子の比率が多く、特に男女で分かれるのはトイレぐらいで居心地は悪くなかった。
通学も私服の為好きな格好で行けるのが本当によかった。
指定の作業服もつなぎだった為何も苦ではなかった。むしろ自分でも似合う!と思うくらい笑
授業と居酒屋バイト、インターンシップの学校生活は大変だったが楽しかった。

県外で一人暮らしだったから自分と向き合う時間が多くて病みそうになる時もあった。
自分と向き合いこれからのことを悩みに悩んだ。1人で抱え込みすぎて寝れない日が多かった。
就職してしまうと時間がない。とりあえず精神科に行ってみよう。19歳になりGID外来の診療をしている精神科に1人で向かった。
すごく緊張したのを覚えている。電車で片道1時間30分。先生に話すことをずーっと考えていた。
問診票に色々書いた。男性の院長先生だった。一言目で少し苦手だ。と感じてしまった僕は心を閉ざしてしまった。(悪い癖)
ちゃんと話すことができず、悔しくて。先生にもちゃんと考えて、親にも相談してまた来てくださいと言われた。
診断書がほしかったが未成年だったこともあるのと親と話してないことから出してもらえなかった。
自分の計画では診断書をもらって親に見せて話す予定だった。
全部計画が狂い、またあの病院に行かなくてわいけないのか。ちゃんと話せなかった。親に話すのが怖い。
感情がぐちゃぐちゃになり帰路のスカスカの電車で1人静かに泣いたのを思い出して今でも苦しくなる。
大丈夫だよ。って声かけてあげたい。

夏休み。実家に戻りいざカミングアウト・・・。すぐにでもしたかったが勇気が出ず、実家を去る前日になってしまった。
ようやく腹を括り、昼間に「話したいことがある」と両親を呼んだ。
話すこと考えていたのに真っ白に笑。とりあえず伝えなければ・・・。
「一人暮らしで自分と向き合う時間ができて色々考えて出した答えがあって・・・。」と話し始めた。
両親は真剣に聞いてくれた。「性同一性障害」については診断書をもらってから話す予定だった為、性別違和についてカムした。
「女子らしくしなさい。」「言葉遣い気をつけなさい。」「態度に気をつけなさい。」言われるのが嫌だった。
女子らしく。と言うのが一番言われたくなくて。自分らしく居たい。涙をこぼしながら話した。
両親も何となく大人になるにつれ僕の趣味嗜好が現れていたのに気づいていたようだった。
「強要したつもりはなかったけどそう感じていたんだね。もう言わないから。大丈夫。」
そう言ってもらえて本当に嬉しかった。
でも。
「ごめんね」と謝らせてしまったことで申し訳ない気持ちでそれ以上話すことができなくなってしまった。
今はとりあえずこれでいい。一歩踏み出せた。ちゃんと全てを話せてはないが性別に違和を持っていることは伝えられた。
次は病院で先生と話す。嫌だが通らなければならない道。頑張ろう。もう後戻りはできない。
少し前を向けた日だった。
うちの両親は自分でやり始めたこと。決めたこと。考えたこと。に文句は言わない人たちだった。
ちゃんと筋が通っているなら。否定はしない。そんな両親でよかったと心から改めて感謝した。