前回は中学生活について。今回は高校生活。

うちの家は高校に上がると同時に携帯を持たせてくれた。
インターネット、SNSのおかげで世界が広がった。

高校も制服はリボン・スカートだった。(今はスラックスやネクタイなど選べるらしい!羨ましい・・・。)
1年の間は普通科で周りに合わせて行動した。相変わらず男子と話したり遊ぶ方が楽だったが
周りに変な目で見られるのが怖くて程よく空気を読んで自分を殺しながら生活していた。
周りに合わすことが普通になり自分の意見を出せなかった。出すことも怖かった。
変わってる。他の子と違う。そう思われて嫌われるのが怖かった。(この性格は今も変わらない。)
高校を選んだきっかけは、中学の同じ部活の子に誘われたのと運動中心のコースがあり
勉強から逃げられるのと制服からも逃げられる!と思ったから笑
体育の授業がたくさんあり予想通り他のクラスより体操服でいられることが多く気持ちがすごく楽だった。
結局体格差などで男女分かれて行うスポーツも多くそこはモヤモヤしたが割り切った。
部活では部員も少なく男女平等に行い主将として3年間頑張った。

転機があったのが高2の時。講演会にFtMの方が来た時。話を聞いて同じだ!と思った。

帰ってから即調べた。「性同一性障害」体と心の性別の不一致・・・。
そうか。そういうことだったのか・・・。
時々友達に「なぎが男の子だったら付き合いたかった」って言われたのを間に受けて嬉しいと同時になぜ男子じゃ無いのだろう。
と思っていた気持ち。嫌悪感を抱いた気持ち。モヤモヤしていたこと。男子が羨ましいと思う気持ち。
全て思っていたことに答えが出た瞬間だった。僕は男の人として生活したいんだ。
自分の気持ちに気づいたは良いものの、ここからどうするか・・・。
自分の気持ちを押し殺すのが得意になった僕にそれを誰かに主張することができるのか・・・。
ましてや親族の中で唯一の女子として生まれ女子として育ててくれた両親・兄弟・祖父母・親戚にカミングアウトできるのか。
いや無理だ。相手の気持ちを考えるとカミングアウトなんてできる気がしなかった。怖い。否定されたらどうしよう。嫌われたら。
縁を切られたら・・・。ありもしない想像を膨らませ、また自分を押し殺した。
高校3年間も中学と同じように黙って過ごした。
だが「性同一性障害」と言うことに気づいたことやSNSなどでたくさんの当事者がいることは大きな一歩となった。

進路はすぐに決まった。2年間の専門学校。好きなことを学べる場所。