僕は最近、一人で居酒屋に入るという

一人飲みを積極的に行っている。



なぜ、こんなことを始めたのかといいますと

僕の飲み方はとにかくヒドイ。

記憶はなくすわ、ドギツイ下ネタはいうわで

とても32歳の、そろそろいいオッサンの

飲み方ではない。

年末に大きな、お酒の失敗もありまして

おおいに反省し、もっとお酒と真剣に向き合おうと

一人で飲むことにしているのです。



そして一人で飲むからには

ハンチングをかぶった(なんとなくイメージ)

飲みのスペシャリストが集うような

「大衆酒場」系を狙って、「飲む」という行為の

勉強をしにいっているのです。



そして、つい先日。

月島にあります、それはそれは有名な

大衆酒場でのこと。



この酒場は、オープン前から行列ができる

お店でして、とても狭く、お世辞にも綺麗とは

いえないお店なのですが

お店のおばちゃん、おねーちゃんの愛想がすばらしくよく、

料理も安くて、絶品とあって大人気なのです。

とくに煮込みは東京三大煮込みの一つに

数えられるほど。



そのお店にオープンから入ろうと

僕が並んでいましたら

僕の前に並んでいた

すでに酔っ払っているおっちゃん2人が

「キミ、一人?」と声を掛けてきました。



「は、はい」と僕。



すると、二人のうちの

眼鏡をかけた親分肌のおっちゃんが、

もう一人の子分おっちゃんに

「オレ、彼みたいなの好きだな~」と

語り出したのです。



どうやら親分おっちゃんいわく、

こんな親父しかいない、きたない店に

青年が、しかも一人で飲みに来るのは

気概があってよろしい!ということらしいのです。



僕もこんなおっちゃんたちの反応に

ビックリしたのですが、

店に入っても

僕の横の席に座った

おっちゃん二人は(お店にはカウンターしかない)

「おい、青年! おまえは偉い!! 」と

ほめっぱなし。



お店のおばちゃんにも

「こいつは、偉いんです!」

と推薦してくれたりして、

なんかとってもいい気分に。



しかし…。

実は、その日の僕はといいますと

ツワリのヒドイ嫁がチキンライスを

食べたいと突然言い出しまして

それなら、僕が作ってあげよう!と

材料をスーパーに買いに行った途中に

飲みに来てしまっていたのです。

 僕の家から月島は近いのです。


なので、

その居酒屋にも長くいられて

最長1時間。



僕のタイムリミットは関係なく

褒めちぎってくれる

おっちゃんたちの盛り上がりマックスに。

ますます、俺、帰ります!といいづらい状況に。



ましてや、気概があると

褒めてくれているのに

「嫁のご飯を作らなくてはいけないので帰ります…」

なんていったら

「カミさん怖くて、男が飲めるかー!!

しかも、なんだー! なんでお前が飯をつくるんだ、バカヤロー!!

と言われちゃいそうで、これまで(60)に築いた名声は水の泡に…。



でも、嫁は待っているので

勇気を振り絞って

「帰ります!」と僕。



「おい、帰るのがはやいな、もっと飲んでいけよ、青年」

と親分おっちゃん。



とても悩みましたが、

おっちゃんには、えらいとほめてもらい

その上、大変かわいがってもらったので

正直なところをぶつけようと決心した僕。



「実は、嫁が妊娠してまして

ツワリがひどくて飯を作らなくてはいけないんです」



すると、おっちゃん。

「なんで、嫁のツワリがひどいのにお前は飲んでんだ!

早く帰りやがれ!!



おっちゃんはとても奥様を

大事にされているジェントルマンらしく、

想像とは違った形で

僕はおっちゃんの信頼を失いました…。




















妻のツワリがひどく、

いつも浮かない顔している。


何もしてあげられない

僕ですが

何とかして

気を紛らわしてあげようと思い、


「AKB48に入って下さい!って言われたらどうする?」


とおもっきり気がそれると思われる

質問をしてみた。


しかし、


何でこんな辛い時に

そんな質問してんだと

カミさんの眉間のシワは

年齢48(フォーティーエイト)くらい

深く刻まれてしまった。

※実際は32歳です。


ヤバイ…とビビる僕。


しばらくして

カミさん。


「今の状態だったら無理だけど

産んだ後は考えるかな…」




その深い眉間のシワは

しっかり考えていたからだったんですね!!













僕が最近よく行くおでん屋さんが築地にある。


おいしいのはもちろんのことなのだが、

そこにいるママさんが

おでん級にいい味を出しているので

ついつい店に足を運んでしまう。

また、この店はママさんと

息子さん(料理担当)の2人でやっている店

なのだが、息子さんのガタイがよく、

「このひと食べること好きなんだろな」という

説得力が僕を引き付ける。


ママさんは通称、築地のサッチー。

年齢は非公開らしく、

おそらく75~80歳くらい。

いつも綺麗に髪をまとめあげ、

髪型というよりトサカと表現したほうが

いいような立派さである。

しかもガンガン、タバコを吸い、

酒はあまり飲めないといいながら、

ウイスキーの水割りを烏龍茶のように

ぐびぐび飲みながら仕事をしている。

しかも、おでんの味には全く関係ないのだが

麻雀が恐ろく、強いらしい。


そんなサッチーに

僕は2012年から禁煙を始めたこと告げた。

「えらいわねー」とサッチー。


僕がタバコを吸い出したのは

アルバイトのとき、

タバコを吸う人だけ一服休憩というものがあり、

それならオレも吸って休憩時間をもらおう!

と思ったのがキッカッケである。


今思うとものすごく小さな理由で

自分の健康を害していたのかと

恥ずかしくもなるのだが

サッチーはすごかった。


「なんでタバコ吸いはじめたんですか?」と僕。


「わたしね、この子(料理担当の息子さん)が

できるまで、タバコ吸ってなかったの」とサッチー。


「じゃあなんで吸い始めたんですか?」と僕。


「この子ができたら、なんかイライラして

タバコが吸いたくなっちゃったのよね、

タバコを吸いだしたのは、それから」とサッチー。


世の中では

妊娠中の喫煙は絶対に駄目だと言われている。

妊娠中の人が場にいるのに

タバコを吸い始め、副煙流を吸わせたら

そのタバコを吸っていた人は悪魔のような扱いを食らう。


そんな中、サッチーは違う。

一番吸っちゃいけないタイミングで

タバコを吸い始めたのだ!


サッチーがその真実を僕に

告げたとき、

サッチー越しに一生懸命料理を

つくる息子さんが見えた…。


喫煙されながら育った

息子さんは、清原級に体がデカイ。