自己紹介


20代男の奏汰(かなた)です。
僕の彼女は20歳年上の人妻:桜子さんです。

桜子さんと出会ってからの日常を
ここに記録として残していきます。


 ​カミングアウト③


僕は

『嘘をついて、ごめんなさい‥』

と言いました。





桜子さんは、

しばらく黙っていました。





すると確かに電話の向こうで

すすり泣いているような感じがして、

まさかと驚きました。



『桜子さ‥ん?』



『ごめん‥』

その声は確かに泣いているような声でした。





『別に奏汰くんは、独身だし、出会い系で出会ってチャンスがあれば、当たり前だから、謝らないでいいよ‥』



そう言うと、

自分は既婚者で、独身の僕にアレコレ言える立場じゃないことや、

こんな年上の女性が20歳も年下の男の子のことで涙するとかおかしいことを

ぼつりぼつりと伝えて来ました。





そして、僕が

素直で一生懸命頑張ってる若者だから、

出会い系にいる男性とは

ちょっと違うって思い込んでいたことも伝えて来ました。



だから、僕の話を聞いて、

思わずショックを受けてしまったことを逆に謝って来ました。

20歳も年上の女性が

こんなことで動揺するとか、

申し訳ないと言って来ました。





僕は胸がギュッと鷲掴みされたような気持ちになりました。



そもそも僕は、

桜子さんが配偶者のことや出会い系で会った人と信頼関係を築くことは難しい

と話していたことを

さほど重く受け止めていませんでした。




でも、桜子さんは

配偶者や出会い系慣れした人が長年生きる中で

変わっていった部分に

疲弊して、

まだ世間に揉まれていなくて、ある意味純粋な年下男子の素直な部分に

どこか期待していたんだと思います。




そんな期待を持った年下男子にも

嘘をつかれた桜子さん‥。





電話の向こうで

大人の女性として相応しい対応をせねばと

必死に努めている様子に

僕はもの凄く切ない気持ちになりました。



ごめんね、桜子さん‥。

他の女なんて抱かなきゃ良かった‥。