実は、弥生は、
僕の別れた彼女とは友人関係にありました。


そして、
別れた彼女が
僕の前から突然借金だけ残して消えた時、


逃亡を企て、手助けしていたことが
後になって分かったのです。



しかも、
別れた彼女が家から出ていく少し前、
とにかく仕事も続かないわ、
家事もしないわ、
嘘はつくわで
僕が怒った時、
いきなり弥生の話を出して来ました。



『奏汰さ、弥生と昔ホテル行ったんでしょ?』
と。


僕はびっくりしました。
別れた彼女には特に弥生の話をしませんでした。
わざわざ言うことでもないし、
逆に別れた彼女が
気を揉むと思ったから話さずにいました。



でも、それを知っていた別れた彼女。


『どうしてそんなこと知ってるの!?』
そう尋ねると、


別れた彼女は、
『弥生から聞いた』と。


はっ!?


もう結婚もしていた弥生が何故それを
わざわざ別れた彼女に話したのか
意味がわかりませんでした。



このことで、
僕と別れた彼女は何回も
喧嘩になっています。


弥生より劣っていたと思い込んでいた
別れた彼女は、


−どうせ私なんて‥−
とよくメンヘラ女になっていたので、
僕は何度も何度も

−そんなことない!お前の方がずっと好き−
と伝えました。



別れた彼女と僕は
処女と童貞同士で、初めての相手でした。


だから、
僕は別れた彼女を大切にし、
あのまま結婚したいと真剣に思っていました。



それなのに、
別れた彼女が出て行った時、
告げ口だけでなく
またもや弥生が関わっていたと聞いて、
僕の弥生への不満は
密かに溜まっていたのでした。


弥生は、
言い換えると
−自ら名乗り出た別れさせ屋−
と言っても間違いではなかったです。


僕は
人間不信になっていました。




そんな僕を桜子さんが
ある言葉で救ってくれたのです。




続く