残念麗江 ~中国の世界遺産登録と観光地化~
昨日の記事で、麗江の町並みの素晴らしさを伝えた。
『どこを撮っても絵になる街』
本当にそう思った。
そう、到着の日の朝だけは・・・
夜行列車の疲れもあり、YHでちょっと休んでから、昼過ぎに再度町に出てみると、
今朝美しいと思った石畳の道には、右にも左にもお土産屋さんが延々と続いていた。
地元の人しかいなかった朝とは違い、残念ながら石畳の続く町は、
全く生活感のない町並みに変わっており、道行くのは観光客だけ。

雨のため観光客は少ない写真だが、夕暮れは人で溢れていた

屋台街

民族衣装の実演販売。いくつもこのようなお店があったが、まさに籠の中の鳥。

なぜかボブマーリー。全く町並みと合っていない。
さらに、お土産屋さんに飾られている、色とりどりのカラフルなお土産物のおかげで、
この町が本来持っているであろう、静寂さとか、落ち着きさとかが全て失われてしまっている。
朝の静寂はなんだったのかと思うほど、古城地域内はテーマパーク化してしまっていた。
こうなってしまうと、もう町の印象もがた落ち。
今朝のドキドキ感はどこへやら、町歩きに出ようと思うやる気まで失ってしまった。

名物・漢民族の大移動
さらに酷かったのが夜。
古城地域のどこにいても聞こえてくるアップテンポの曲。
あらゆるお店で爆音音楽を流しており、静寂とは無縁な町になってしまっていた。

四方街西側から延びる新華街は、ほんとウルサイ

中国で今流行っているショーバー(真ん中にステージがあり生ライブ)。音楽は爆音で店の外まで聞こえる。
英語の話せる地元の人とちょっと話せたのだが、こうなったのはここ十数年の話らしい。
それまでの麗江はとても静かで、まさに“静寂”という言葉がぴったりな町だったという。
道にはナシ族の人々が練り歩き、小川で洗い物をしたり、井戸端会議をしたりしていたらしい。

昔からある大石橋
転機は1997年の世界遺産登録。
中国が観光業に力を入れ始めた時期であり、経済的にも高度成長し始めた時だ。
世界遺産登録後、数年で町全体が政府の手によって変えられ、
ここ数年では観光インフラも急速に整備され、一昨年には鉄道も開通した。
もちろん、そのおかげで僕ら観光客は来やすくなり、麗江にお金が落ちるようになったのは事実だが、
それでも中国の観光地化はやりすぎ感がある。
あまりにも悲しすぎて写真を撮る気にもならなかったが、
古城地域の入口にある景観(滝や丘に続く道、石碑など)は、全て近年に創られたものだ。
町の景観を損ねる新たな名所(入口や記念碑など)建設に、無駄なライトアップ、施設の高額有料化・・・

入口近くにある水車と民族衣装を着た観光客
麗江だけに限らず、中国政府の観光地化は、どうも性に合わない。
しかも、どこも同じような手法を使うため、どこも同じように見えてしまう。
僕は行かなかったが、鍾乳洞の7色のライトアップなんて、誰が望んでいるんだろう・・・。
世界遺産登録に伴う観光地化と現状保存、経済発展と文化の喪失、観光客と地元民。
どの国でも挙げられている問題だが、僕個人としては、ここ麗江の町並みは残念で仕方なかった。
そんな麗江で撮った写真。

遠くに望む玉龍雪山

ほとんど雨だったけど、唯一晴れた2日目の夕方の青空

子供がかわいすぎて思わず隠し撮り

夜、古城地域の入口で踊っていた人々

ナシ族が使う象形文字・トンパ文字

ちなみに、ピザハットをトンパ文字、中国語で書くとこうなる

犬

YH3階からの景色が一番落ち着いた^^
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・
ランキング参戦中!!
一日一回、ポチっとしてもらえると嬉しいです。

にほんブログ村
携帯の方は、↓をクリック!!
にほんブログ村 世界一周