絵本を描いていて、行き詰まると、散歩に出たくなる。散歩道具を鞄に入れて出かける。
子供のようにウキウキワクワクだ、散歩はたいてい、一時間から一時間半ぐらいがまったりと心地よい。
ぼくはテクテクと浅草散歩に出かけた。
 隅田川に架かる吾妻橋を本所方面から渡ると浅草に出る。そして、おもむろに振り返ると、あら不思議。噂の黄金色のうんこのオブジェと某ビール会社の小便のようなビルが建っている。
そして、ドカーンとそびえ立つ、スカイツリーが見える。下を流れる隅田川。
この四点セットが絶景の写真撮影スポットなのだ。
絵に描いて代々のこしてもいいだろう。将来、サザビーのオークションで落札されるにちがいない。
 気持ちよく歩いていると隅田公園を後ろに、
みんな笑顔でカメラに向かっている。勿論、カメラに向かって怒っている人はいない。
 この吾妻橋の袂に、水上バス乗り場があり東京湾付近まで、爽やかなクルージングが楽しめる。また、屋形船もこの付近から発着している。もう、
ぼくは何度も渡っているので、おもむろに振り返ることはないが、観光バスの美人バスガイドさんとすれ違うと、目だけが九十度ばかり、自然と素早く動く。
絵本作家の散歩人としての好奇心が優れていることを自慢しておこう。

今年もよろしくお願いします。

                                2012 塚本やすし