インナーネット・・・人間界と自然界を横断するコミュニケーション網で、時間にも
空間にも制約されない。人間の場合は澄んだ心が交信端末となり、接続状態が
いいと涙がこみ上げたり、空に虹がかかったりすることがある。アクセスコードや
通信手順などは不明だが、基本的にはつねに接続が保たれている。生命圏内と
細胞中の水が媒介している可能性も考えられる。
上記は「環太平洋インナーネット紀行」の巻末に掲げられている言葉である。
さすがグレゴリーベイトソンやラウ゛ロックの翻訳者だけのことはある。
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「カニをエビと結び合わせ、ランをサクラソウと結び合わせ、これら四つの生き物を
私自身と結び合わせ、その私をあなたと結び会わせるパターンとは?
そしてわれわれ六個の生物を、片やアメーバーへ、片や病棟の檻の中の分裂症
患者へ結びつけるパターンとは?」
グレゴリーベイトソンの、この言葉を踏まえた上で、改めて上記のインナーネットの
定義を読み直してみると、とても面白い。そこには<水>という循環物質が媒介として
語られており、人間を含めた環境世界のエントロピーがシステマティツク・エコロジカル
に維持されている状態を表現しようとしている。
そのような循環システムを壊すのは容易いことだ。モノの10年や100年のスパンで
容易に機能不全に陥らせることが可能だ。しかしながら、その循環システムを創生し
持続的に作動させてきた努力というモノに視点を移してみるとどうだろうか・・・。
時間にして数千年、数万年、数十万年・・・。
我々人間は、もはや刹那的にその場限りの対処をしていて、いいのか?
危機意識すらない、オブラートに包まれた、現代日本の日常で、独り憤りを感じ、言葉を
大にして叫んでも、果たして何人の人が聞く耳を持って頂けるのでだろうか?一抹の
むなしさを感じる。
参考・・・星川淳の近況
http://www.greenpeace.or.jp/info/staff/