早くゾンビと戦いたいです。
「そういえば昨日の真夜中 とうとう金が尽きちゃってさ」
でも俺には路上で歌うという選択肢はない。
七月は散財の果て、財布の中には二十数円。
こんなに給料日が待ち遠しいのも久しぶりだ。
一日の長いこと長いこと。
戸棚の奥から、二年くらい前におかっぱ河童に頂いた、うどんの乾麺を見つけた。
三束も入っていた。
賞味期限がぶっちぎりで過ぎていたが、こんなに有難いことはない。
給料日までたった一日、されど一日。
金策はある。
セカンドストリートとやらに、服を売っぱらいに行くのだ。
ヤフオクやメルカリなんて、悠長なことは言ってられない。
昔はよく漫画やCDなんかを売っては、日銭でその場しのぎをしてたもんだが、似たような悪あがきだ。
その頃と変わったような変われてないような。
黒い噂の絶えない生臭坊主にいつか言われた。
「金がないのは首がないのと一緒やぞ」
人生の格言はいつ飛び出すかわからない。
赤信号でガードレールを振り切った先に聞けるものもある。
