自分が舌がんになり、何回も再発すると入院の度にがんを患う方と同室になることが多く,いろんな出会いがあった。

自分の母親と同世代の方もいたし、同世代もいれば若い方もいたり。 

検査入院の方もいたりした。

舌がんを周囲にオープンにしたことで職場では「実は自分もがんサバイバーです」と打ち明けて下さる方もいて思わぬ縁ができたりした。

個人的にがんになるタイプは三種類に分けられる気がしている。

一つ目は、自分にも他人にも厳しくて完璧を求めるタイプ。

二つ目は、弥勒菩薩のようにいつも穏やかな笑顔を絶やさず、愚痴も吐かず、家族のため、周りの方々のために献身的に尽力するタイプ。

三つ目は、いつも不平不満ばかりで、「ドイツモコイツモ!」と憤怒のぬかるみに足を取られ、感謝が足りないタイプ。

私は三番目のタイプだった。

いつもいつも自分の人生に不平不満を並べて

「こんな人生、早く降りてしまいたい」

といつも思ってた。

生きてることに感謝のカケラもなかったな。

会社に着けば「ドイツモコイツモ」とムカついていたし、帰宅すれば思い通りに行かない子育てや山のような家事に腹を立てていた。協力してくれてる夫と自分の家事分量の不公平さにムカついて、やっぱり「ドイツモコイツモ」って思ってた。

がんはこういうストレス過多の生き方をしてる奴が大好きなのだ。

自分ががんに好かれたのは当然なのだ。

「必要以上の我慢を耐える奴」とか「感謝が足りない不平不満野郎」にがんは好意を抱くのではないかと思う。

がんにならないために大事なことは

自分にも他人にも寛容であるように。

自分ばかり必要以上の我慢をしないように。

そして、何事にも感謝を忘れないこと。

‥と、個人的に思っている。


@辻井坂