何ともおだやかでないタイトルだが、報酬をいただいて自宅に勝る終の棲家を探し、お客様1人、1人に最適のホームを選び、入居契約に立会、更に入居後も3年間のモニター,フォローの支援を提供する当センターにとっては、破綻、倒産、身売りなどは最も避けねばならぬ事態である。
後の祭りとならぬよう、慎重に選ぶこと。 疑わしきは罰せずでは意味がなく、疑わしきはパス、つまり近寄らないことが肝要である。
従ってお客様への推選ホームリストを作成する段階で最悪のリスクを避けることに全力を注ぐこととなる。 因みに、私どもは決して特定のホームにお入りくださいとは言わないルールがある。
最適と思われる候補ホームを3つくらいリストアップして、最後の選択、決断はご本人,あるいはご家族が、相性、好き嫌いで決めていただくのがルールである。
入居後、お客様とともに入居者懇談会にもオブザーバーとして出席させていただくことを前もってホームからもご了解を得ている。
さて、その際にチェックするのは半年,あるいは1年ごとの入居率、空室率、職員の方の定着率、宣伝、広告、営業の実態などです。
10数年前米国においてもフォーラムグループと呼ばれる高額、高級の富裕層むけCCRCで一世を風靡した企業があったが、10箇所余り開設したところで、行き詰まり売却となった。
急速な施設拡大の行く末は、身売り、破綻、訴訟というお定まりのコースをたどったわけである。
米国ではプロットタイプが市場に受け入れられると例外なくスケールメリットと利益の最大化を目指してフランチャイズ、チェーン展開をするが施設介護ビジネスではほぼ成功より、失敗が多い結果となっている。
その理由は、米国型のCCRCでは、建物設備の投資コストも大きいが、それ以上にスマイルとスキルを持ったスタッフを十分に確保,あるいは教育・訓練できるかが勝負となる。
米国においても、最も強力なセールスツールは入居者の口コミとホームの近隣での評判である。介護保険という補助金のない市場では、入居者は我が儘で、要求が厳しいのであるから不満ならばまず口コミは一切期待出来ない。
稼働率の低迷とスタッフの質の低下が悪のスパイラルとなり、規模が大きければ、大きいほど宣伝、広告、営業のコストもうなぎ登り、離職者の増加は人件費の高騰となり、また、経験、スキル不足のスタッフが増えて、 サービス低下、満足度低下してが訴訟の頻発となるのである。
2614-3-05
次回は『老人ホームの訴訟』について