さて、大分期間が開いてしまったが続けてよう。
ヴィッパーサナ瞑想は頭のてっぺんから始める。
何を?かと言うと、観察して感じる作業とでも言えばいいだろうか。
頭頂に今どんな状態を感じているか?
ピリピリしてるとか痒いとか痛い、じんじんする、血液の流れを感じるなど、言葉にならない感覚もそこ(観察している場所)では何かしらかが起こっている。そこにおこっている皮膚感覚を観察する。
観察は頭頂から始まり、頭全体を、顔に意識を移して、おでこ、目、鼻、人中、頬、唇、顎、両耳、さらに、両肩から指先、胸、背中、両脚から足先までをつぶさに観察しては意識を移動させていく。
場所によっては何も感じない場所、感じ安い場所などがあり、感じない場所では他のことを考えやすい。
いや、大体意識は何か別のことを考えようとしている。
エロい事や、エロいこと、やらしいことに、スケベなことだ。もちろんそれ以外にも考えてるが、殆どがそれだった。
理由は分からないが、『簡単』だからかもしれない。もしくは考えていて『楽しい』。
1時間ずっと動かずに座るというのは本当に退屈で、さらに、肉体的な苦痛も伴う。
それに加えて集中力を使い、よく分からない感覚を観察していくというのは日常生活から考えると常軌を逸した行為だと言えるだろう。
そんな苦行の果てで自由に出来るのは思考のみで、ここにしか『私』という存在かない状態になっている。
つまんないなー、退屈だなー、痛いなー、痺れてきたなー、いやいや、そんなこと考えないでエロいこと考えよー、あんな事こんなこと……、時間はーまだ、15分…、もっと!もっと集中してエロいことを!…痛いさっきよりも痛い、しびれる。あ、これ、立ち上がらないと体に良くないんじゃ…、身じろぎしちゃおうかなー、ちょっとくらい、いや、はぁはぁはぁはぁ、つれー、いてー、背中痛い…背中がめっちゃいたいぞ!なんだこれ!忘れろ!忘れるんや!!
いたっ!ふぅー、ふぅー、いたたたたっ、ふぅーーーーーふぅーーーーーー、あれ?いたく、いや、痛いな。笑、さて、時間は…、ほんとは目を瞑ってないといけないけど、確認しちゃお、そろそろ終わりだろうしね、30分…え?まだ?嘘でしょ?もしかして、もう90分とか?それか、始まった時間勘違いしてたっけな??
………いや、あってるわ。まだ、30分だわ。
地獄!エロ!痛い!はあああああああああああ。
というのを延々と続けていく。
この時は休まることがない。
痛みもエロも考えず、ひたすらに観察を続けられた時もやはり、考えないように意識しているので休まる暇はない。
ただ、達成感がそこにはあるだけ。
けれど、達成感で座るものでもなく、ただただ、ひたすらに座る鍛錬でしかない。
道元は只管打坐といい、ただ、座り続けることを説いた。まさに、その心境だ。
この瞑想で何かが変わったかと聞かれれば何も変わっていないと答えるだろう。
しかし、2度とやりたくないかと言えばそうでもない。
瞑想をする理想的な環境に身を置き、ストレスフリーな状態で厳しくもあるが座り続けるもいう贅沢はあそこでしか味わえないだろう。
社会の荒波に揉まれ生活しているとどこかでリラックスが必要になる。
温泉だったり、ショッピングだったり、スポーツだったり。
それらもいいし、10日間休みをとるのも社会人となると大変だろう。
しかし、私の知る究極のデトックスはこの瞑想コースだと思っている。
人生の何かの節に是非ともおすすめしたい。