知る人ぞ知るヴィッパーサナ瞑想の10日間コースへ行ってきました。
すでに記憶は薄れつつありますが、これ以上忘れないためのメモ書きとして。
聞きなれない言葉、瞑想という言葉のもつ怪しさ、10日間というそこそこ長い期間、もしかしたら怪しい宗教なのではないか?洗脳されてしまうのではないか?高額なお金を要求されるのではないか、など想像がはかどりますが、すべて『NO』。
ものすごく簡単に言えば、仏陀の時代から引き継がれてきた『観察』と『平静な心』を中心とした瞑想法を10日間集中的に行うコースです。
長期の休みになるとキャンセル待ちができるほどの知る人ぞ知る人気スポットです。
その間やってはいけない約束事があります。
- 生き物を殺さない。(なので食事はベジタリアン)
- 盗みを働かない。
- 切の性行為を行わない。
- 嘘をつかない。
- 酒・麻薬の類を摂らない。
の五つです。
それ以外に、携帯電話を預けたり、紙やペンなど筆記用具の持ち込みは禁止。さらに生徒同士のコミュニケーションは禁止され、見知らぬもの同士心通わせることなく10日間を過ごします。これは情報交換することで余計な心理的負荷を増やさないためだそうです。
たとえば、今日の瞑想の出来はどうだった?などの話をすればうまくいった人いかない人がいるわけで、うまく行かなかった人はうまくいくようにと余計な力みが出てしまったりするからです。
つまり、夜にポチポチ携帯を見ることもできませんし、その日の瞑想の状態を書きとめておくことも出来ません、一緒のご飯を食べる人たちと談笑もかないません。ただひたすら瞑想に打ち込むためだけの時間なのです。
また、ここの凄いところはすべてが寄付によって成り立っていると言うことです。
これは設立者であるゴエンカ氏の意思だそうです。
残念ながらもうなくなられてしまいましたが、現在では世界各国で約150箇所もの施設が作られています。
なので、コースへの参加費は寄付する意思がなければ無料で受けられます。
食事はボランティアの方々が決まった時間に用意してくれます。
洗濯は手洗いですが脱水機が使えます。
湯船に浸かることはできませんが熱いシャワーを浴びることができます。
宿舎は相部屋とテントがあり、どちらも快適に過ごすことが出来ます。
本当に瞑想以外にストレスを感じることがありません。
では、ここで一日の流れを簡単に説明します。
朝の4時に起床(!!!)
4時半から6時半まで瞑想
6時半から8時まで食事と休憩
8時から9時までグループで瞑想
9時から11時まで瞑想
11時から13時まで食事と休憩
13時から14時半まで瞑想
14時半から15時半までグループで瞑想
15時半から17時まで瞑想
17時から18時までティータイム
18時から19時までグループ瞑想
19時から21時まで講話
21時半就寝
となっています。
驚愕の瞑想時間!!
1日10時間!!!
だからと言って10時間もの間じっと瞑想できるわけはないので、グループ瞑想以外は適度に休んでもOKでした。
ただし、ストレッチやヨガの禁止!!
これはほぼ無理だと言わざるを得ないのですが、
ヴィッパーサナにおいて自分の体を観察するのが目的の一つなので、体をほぐして望むのは目的にそぐわない部分があるため、過度な運動は禁止されています。
さて、おおまかな説明はこの辺で終わりにして、到着からの記憶をたどってみたいと思います。
場所は千葉県の茂原駅から数十分行ったところにあるまわりには何もない辺鄙な場所にその施設はあります。
目的のバスに乗り込むと、それらしき大荷物を抱えた人々ばかり乗っていました。
男性も女性それぞれ10人くらい、年齢層はパッと見た感じ老若男女入り混じり、多少20代にが多そうな印象を受けました。
これから向かう施設は日本には京都と千葉県にあるらしく、千葉県のこの施設はまだすべてが完成しているわけでありません。
事前にメールで送られてきた情報によると、私はテント泊になるらしく、少し寒くなってきた子の時期、少しの不安がよぎります。
バスに揺られること数十分、目的地のバス停に到着。そこから施設まで送迎もありますが、受付時間よりも少し早くついてしまったので送迎の方に大まかな道順を聞いて歩いていくことにしました。
本当に何もない。
民家と朽ち果てた民家と田んぼと畑。 以上。
仕事をやめたばかりの私は急激な環境の変化についていけず考えるのをやめていたような節がありました。笑。
なんとなく後ろを振り返ると男女入り混じった数人が楽しげに歩いてきているのが見えました。
こういう時、周りの人よりも行動が早すぎて一人で行動することが多いです。
混ざりたいけれど歩くスピードを落としたり、風景を見るために足を止めたりするのはちょっと恥ずかしいのでやめました。
しばらくすると、ちょっとした坂道の上に目的の施設が見えてきました。
簡素なバラック小屋のような建物でした。
受付が始まるまでに書いておいてと、緊急連絡先や今回の参加の意志を再確認する内容の誓約書にサインします。
そんなに書くこともないので、すぐに暇になり、敷地内を歩いてみることに。
敷地では男女の区画が分かれており、コース期間中は男女が完全に分かれて暮らします。
それぞれの宿泊棟となる建物、瞑想ホール、トイレやシャワーのある建物、そして、奥のほうにはテントが。
テントの数は総数で15張り(たぶん)
地面に直接ではなく、木製のデッキの上にテントが設置されており、さらにその外側にデッキごと覆う風除けが逆Vの字で組まれており、そのときの印象派豪華なテントでした。
東側と南側は森に囲まれていていますが、敷地内は固められた歩道、あとは芝生、奥のほうは手が入りきっておらず雑草が茂っていたり土が荒れていたりという感じ。
さて、受付場所に戻ると第二陣が来たらしく人も増え、そろそろ受け付け開始時間に。
それまで、隣に座ったベトナムで設計事務所をやっている方と少し話す。
彼は今回で3回目。
京都、ホーチミン、そして今回の千葉。
なんとなく一回きたら終わりと言うイメージがあったがリピーターもいると知って少し驚いた。と、同時にちゃんと戻れるんだなと心の隅っこにあった疑念が払拭されました。笑。
受付が始まり、財布携帯メモ帳を預け、瞑想のときの座席番号とテント番号を教えてもらう。
ここでの注意事項の説明を受け、スタッフの挨拶が終わるとそこから会話の禁止がスタートする。
この日は夕飯を食べたら少し休んで、ホールに集合して、瞑想の説明を受け、就寝。
夕飯までの30分で荷物を解く。
久々のテント泊に心躍るもやはり寒そうなので毛布と寝袋(夏用)を借りる。
持ってきていた寝袋(夏用)を毛布でくるみ、その上から借りてきた寝袋をかぶせて寝床の完成。
気づけば、夕食の時間になっていた。
夕飯はみんな大好きカレーライス。
お茶やコーヒーは飲み放題。
食事は給食形式で大きな鍋に入ったカレーやご飯を自分でよそう。皿は平らなものとおわん方のものがあり、その日の食事によってどちらが適切か自分で判断する。食べ終えた皿はもちろん自分で洗うし、元の場所にもどす。
食堂内は食器のかちゃかちゃとなる音だけが響く。
私は明日からの生活の不安からか大盛りで二杯を平らげた。
食器を洗い終え、外に出るとまぶしいくらいの星空。
はぁ~~と大きく息を吐く。
(これは声出てないからいいよな?)
などと考えながら、テントへもどり、仮眠。
やがて、時間を知らせる鐘が鳴らされ、ホールへと向かう。
薄暗いホールにはクッションがおかれており、自分の番号が書かれた札のおかれている場所に座る。
テープによる簡単な説明を受けて、瞑想開始。
『いきなり!!』
そこからどきどきしながらも瞑想を続けること一時間。
足がしびれ、姿勢を変え、クッションをおって高さを変えたり。
落ち着きのない瞑想(笑)を行い、鐘が鳴ってようやく終了。
少しの休憩を挟んでそこから二時間の講話。
この講話は主に仏陀の話、瞑想の話、創設者のゴエンカ氏の話。
ためになるなと思うものの座りっぱなしできついためやはりあの手この手で姿勢を変える。
ようやく終わって就寝といわれても。今まで午前二時とかに寝ていた人間がいきなり寝れるわけもなく、でも寒いから寝袋の外に出たくなく、目を瞑り、目を開けて、ごろごろし、うつらうつらし、はっと目が覚めてまだ、12時。
そして気が付けば4時の鐘が鳴る。
ようやく1日目がスタートしようとしていた。