待ちにまった『竹鶴セミナー』に参加してきました。
17時からの二時間。至福の時間を過ごすが出来ました。
狙いは試飲で提供される『北原酒』
余市でウイスキーを好きになり、初めて行ったバーで北原酒に出会い、その値段の高さに腰が引けて、いつか飲もうと決めていました。
終売されたウイスキーは色々あるけれど、なぜかこの北原酒にはとても惹かれるものがあり、
暇さえあればオークションに出品されていないか調べていたりもしました。
それがやっと飲めると言うだけで正直セミナーの内容にはあまり関心がありませんでした。
ウエルカムドリンクの竹鶴のハイボールからスタートし、
一部では竹鶴12年(発売当初の角瓶)、竹鶴17年、竹鶴21年が振舞われました。
といっても、一部の講義が終わるまでお預け状態。
お話してくれたのは、実際に竹鶴氏に会ったこともあるというアサヒの方でした。
1、2部は竹鶴政孝その人の歴史。1部では、サントリーを辞めるまで、2部では余市蒸溜所をつくり、宮城峡蒸溜所をつくり、それぞれの蒸留所の特徴まで。
その中で、驚いたのは竹鶴氏がいつ本物のウイスキーを飲んだのか、そのエピソードは残っていないということでした。
当時の日本では偽物のウイスキーが出回っており、竹鶴氏は本物を味わってもらいたい一心で留学し、本物を持ち帰ってきました。
そして、そこまで思うには本物のウイスキーを飲んだことがあるはずだと考えるのは当然でしょう。
でも、知られていない。
誰も聞かなかったのか?誰にも話さなかったのか?
いきなりのミステリーでした。
さて、竹鶴氏はグラスゴー大学に学びます。
しかし、座学の毎日。
現場を知りたかった竹鶴氏は蒸留場に飛び込んで行ったらしいです。
そこでは常に白衣を着ていたと。
なぜか?
科学者としての意識があったから。
その話には痺れました。
主観ですが、酒造りというのは科学よりも勘によるものが大きい、重視されていると思っていました。
勿論、そういう部分もあるでしょうが、竹鶴氏はウイスキー造りを精確に持ち帰る事の真摯さに心打たれました。
当たり前ですが、本気で日本に本物のウイスキーを持ち込もう、日本で本物のウイスキーを作ろうという気持ちが伝わってきます。
リタと出会い、鳥井氏と出会い、そして、北海道の余市に蒸留所を作ります。
その前に候補地としてあげていたのは同じ北海道の江別でした。しかし、石狩川では氾濫がよく起こるということで、断念し、余市に落ち着きました。
そして我々が訪れる余市蒸溜所はそういった過去を全て飲み込んで今があります。
我々が見ている現実というのは常に結果でしかありません。
歴史をしらなければ、ただの古い建物ですし、知っていれば感慨深い建物です。
今年の九月からNHKの朝のドラマで竹鶴氏をモデルとしたドラマが放送されます。
これきっかけで恐らく余市に詰め掛ける人、ウイスキーの熱が盛り上がってくるような気がします。
最近申し込んだ限定のウイスキーとアップルブランデーはどちらも当たらず、ウイスキー作りも外れてしまいました。
今年のウイスキー作りは残すところあと2,3回の募集がありますので、なんとかそれに当たるよう
願うばかりです。
では、以下、簡単にセミナーで頂いたウイスキーの感想を。
【竹鶴12年】
こちらは2000年に発売されたもの。
貴重な代物でした。
アルコール臭が強く、また、エステリー感もあり、甘く、丸い印象。ただ、口の中に残る香りに飼葉の青臭さを感じる。それに通じるところで、苦味、えぐみも感じる。
これが瓶熟成の古さなのか、もともとの竹鶴12年のもつ特徴の一つなのかは判然としない。
【竹鶴17年】
12年に較べると、あっさり感が増し、華やかになる。熟成感は味わいの重さとチョコのような甘み風味に出ていた。
【竹鶴21年】
匂いがまろやかになり、味わいの全てがまろやかになる。
甘み、ウッディー感、カラメル臭、これらが混ざり合い、見事に調和しエレガントさが強調される。バナナのような甘さ。
飲み干せばすばらしいなとつぶやきたくなる一品。
【余市シングルカスク】
91年~03年までプロモーション的な意味合いで発売された一品。
愚直にウイスキーしてる。
塩っけ、濃さ、ピーティー、スモーキー、ウッディー、個性が凄くぶつかり合って、噛み砕くように飲むのにうってつけなウイスキー。
【宮城峡シングルカスク】
これも余市のシングルカスクと同じような役割で発売された一品。
宮城峡は余市とは反対にとても女性的なウイスキー。
華やかで甘く、なめらかなチョコ感、香ばしい焦げた味わい。
【余市ニュースピリッツ】
これは未貯蔵酒。色は無色透明。
シャンパンや白ワインのような風味。しかしすっぱく、生っぽい。
まずいと言うよりもなんとなく受け付けない味をしていた。
【北原酒15年】
今回の大本命。北原酒。
竹鶴(ウイスキー)の原点ともいえるウイスキー。
89~95年にかけて製造されました。今回試飲したのは平成元年のもの。つまり23年も前のウイスキーとなり、その15年前に貯蔵されたとなれば40年近く生きてきたウイスキーということになります。
余市のなかでも強いピート感のあるものを使用しており、化粧っぽさ、ファンデーションの匂いのような華やかさがあり、粉っぽい印象もあった。舌にのこる苦味もあり、全体的には平べったい抑揚の少ないウイスキーだと思った。
さらに、私のイメージしていた北原酒は『北の厳しい大地で鍛えられた原酒』という印象だったので、余計にそう感じたのかもしれないが、味わいはとても薄く、しゃばしゃばしているように感じた。
思った以上に内容の濃いセミナーでとても楽しませてもらいました。
いや~~ウイスキーって本当にいいものですねぇ。笑
17時からの二時間。至福の時間を過ごすが出来ました。
狙いは試飲で提供される『北原酒』
余市でウイスキーを好きになり、初めて行ったバーで北原酒に出会い、その値段の高さに腰が引けて、いつか飲もうと決めていました。
終売されたウイスキーは色々あるけれど、なぜかこの北原酒にはとても惹かれるものがあり、
暇さえあればオークションに出品されていないか調べていたりもしました。
それがやっと飲めると言うだけで正直セミナーの内容にはあまり関心がありませんでした。
ウエルカムドリンクの竹鶴のハイボールからスタートし、
一部では竹鶴12年(発売当初の角瓶)、竹鶴17年、竹鶴21年が振舞われました。
といっても、一部の講義が終わるまでお預け状態。
お話してくれたのは、実際に竹鶴氏に会ったこともあるというアサヒの方でした。
1、2部は竹鶴政孝その人の歴史。1部では、サントリーを辞めるまで、2部では余市蒸溜所をつくり、宮城峡蒸溜所をつくり、それぞれの蒸留所の特徴まで。
その中で、驚いたのは竹鶴氏がいつ本物のウイスキーを飲んだのか、そのエピソードは残っていないということでした。
当時の日本では偽物のウイスキーが出回っており、竹鶴氏は本物を味わってもらいたい一心で留学し、本物を持ち帰ってきました。
そして、そこまで思うには本物のウイスキーを飲んだことがあるはずだと考えるのは当然でしょう。
でも、知られていない。
誰も聞かなかったのか?誰にも話さなかったのか?
いきなりのミステリーでした。
さて、竹鶴氏はグラスゴー大学に学びます。
しかし、座学の毎日。
現場を知りたかった竹鶴氏は蒸留場に飛び込んで行ったらしいです。
そこでは常に白衣を着ていたと。
なぜか?
科学者としての意識があったから。
その話には痺れました。
主観ですが、酒造りというのは科学よりも勘によるものが大きい、重視されていると思っていました。
勿論、そういう部分もあるでしょうが、竹鶴氏はウイスキー造りを精確に持ち帰る事の真摯さに心打たれました。
当たり前ですが、本気で日本に本物のウイスキーを持ち込もう、日本で本物のウイスキーを作ろうという気持ちが伝わってきます。
リタと出会い、鳥井氏と出会い、そして、北海道の余市に蒸留所を作ります。
その前に候補地としてあげていたのは同じ北海道の江別でした。しかし、石狩川では氾濫がよく起こるということで、断念し、余市に落ち着きました。
そして我々が訪れる余市蒸溜所はそういった過去を全て飲み込んで今があります。
我々が見ている現実というのは常に結果でしかありません。
歴史をしらなければ、ただの古い建物ですし、知っていれば感慨深い建物です。
今年の九月からNHKの朝のドラマで竹鶴氏をモデルとしたドラマが放送されます。
これきっかけで恐らく余市に詰め掛ける人、ウイスキーの熱が盛り上がってくるような気がします。
最近申し込んだ限定のウイスキーとアップルブランデーはどちらも当たらず、ウイスキー作りも外れてしまいました。
今年のウイスキー作りは残すところあと2,3回の募集がありますので、なんとかそれに当たるよう
願うばかりです。
では、以下、簡単にセミナーで頂いたウイスキーの感想を。
【竹鶴12年】
こちらは2000年に発売されたもの。
貴重な代物でした。
アルコール臭が強く、また、エステリー感もあり、甘く、丸い印象。ただ、口の中に残る香りに飼葉の青臭さを感じる。それに通じるところで、苦味、えぐみも感じる。
これが瓶熟成の古さなのか、もともとの竹鶴12年のもつ特徴の一つなのかは判然としない。
【竹鶴17年】
12年に較べると、あっさり感が増し、華やかになる。熟成感は味わいの重さとチョコのような甘み風味に出ていた。
【竹鶴21年】
匂いがまろやかになり、味わいの全てがまろやかになる。
甘み、ウッディー感、カラメル臭、これらが混ざり合い、見事に調和しエレガントさが強調される。バナナのような甘さ。
飲み干せばすばらしいなとつぶやきたくなる一品。
【余市シングルカスク】
91年~03年までプロモーション的な意味合いで発売された一品。
愚直にウイスキーしてる。
塩っけ、濃さ、ピーティー、スモーキー、ウッディー、個性が凄くぶつかり合って、噛み砕くように飲むのにうってつけなウイスキー。
【宮城峡シングルカスク】
これも余市のシングルカスクと同じような役割で発売された一品。
宮城峡は余市とは反対にとても女性的なウイスキー。
華やかで甘く、なめらかなチョコ感、香ばしい焦げた味わい。
【余市ニュースピリッツ】
これは未貯蔵酒。色は無色透明。
シャンパンや白ワインのような風味。しかしすっぱく、生っぽい。
まずいと言うよりもなんとなく受け付けない味をしていた。
【北原酒15年】
今回の大本命。北原酒。
竹鶴(ウイスキー)の原点ともいえるウイスキー。
89~95年にかけて製造されました。今回試飲したのは平成元年のもの。つまり23年も前のウイスキーとなり、その15年前に貯蔵されたとなれば40年近く生きてきたウイスキーということになります。
余市のなかでも強いピート感のあるものを使用しており、化粧っぽさ、ファンデーションの匂いのような華やかさがあり、粉っぽい印象もあった。舌にのこる苦味もあり、全体的には平べったい抑揚の少ないウイスキーだと思った。
さらに、私のイメージしていた北原酒は『北の厳しい大地で鍛えられた原酒』という印象だったので、余計にそう感じたのかもしれないが、味わいはとても薄く、しゃばしゃばしているように感じた。
思った以上に内容の濃いセミナーでとても楽しませてもらいました。
いや~~ウイスキーって本当にいいものですねぇ。笑