今日は寒かった。

いつも、夜の一杯はベランダでやる。
タバコを吸いながら。

だから、今日は外にいる時間が短かった。

いつもより、早いな。と思ったのは寒さがもたらしたウイスキーの変化だ。

あまり気にしないが、普段は常温。

注げば香り立ち、含めば、口じゅうに広がる。

それが今日はなかった。

すっと喉を抜けて行く。

いつものペースだと思っていたのがいつの間にかグラスは空。

そこで、喉越しの温度に気が付いた。

ウイスキーが冷えている。と。

これは面白い。

冷えることで消える嫌な癖もある。
その代わり、代償となる香りはほとんどしなくなる。
けれど、冷たくないと見えてこない個性もある。

友人宅は床暖房だ。
床に直起きというわけではないが、
温められたウイスキーは何かが変化しそうな気がする。

けれど、通常、床暖房は部屋の真ん中あたりだけ。
ならば平気かと思ったりもする。

食べ物と温度の関係はきっともっと奥が深い。
そう思わされる。一時だった。