ウイスキーにはまるきっかけとなったウイスキー。
それまで、何度かチャレンジするも翌日の頭痛に悩まされ、ウイスキー=頭痛という公式が出来上がっていました。
それを打ち砕いたのが、この余市。
正確には蒸留所限定のウイスキーですが、同じ余市蒸留所のものであるので、味の性格は似ている気がします。
今にして思えば、あれはシングルカスクだったのではないか?と。
今にして思えば、もったいない飲み方をしたな と。
けれど、東京でも手頃に味わえるこの余市10年を飲むとあの時の情景が浮かんでくるようで、味だけでなく、思い出の付加価値があるので大好きなウイスキーです。
香り
すっきりとしていて、香ばしい甘い匂い。うっすらと優しい焦げた木の匂い。
味
口、喉で香りが弾ける。一口喉に流し込んだ後も、口の中がビリビリ。
ナッツ系の甘さもあるが控えめ。
苦味。程よく空気と混ざると、野草がつける花の様に逞しくも華やかな香りがする。
口の中で長く続く余韻は、確かに飲んだゾという主張がある。
グイグイいけちゃうウイスキーではないが噛み締めて噛み締めてちびちび飲めるウイスキー。
五臓六腑に染み渡るウイスキー。
ウイスキーと言うのはゲール語の「命の水」と言う意味の言葉からきていると言われています。
その意味が、鼻から始まり、口へ、そして食道をじりっと焼きながら、胃へ熱を持って落ちる、その一連の作用を通してダイレクトに感じる事が出来る。
それがそのまま自分の活力へ変わる様な気すらします。
そう思って、飲み過ぎた次の朝は言わずもがなですが。
毎日飲みたいと思う酒ではなく、
時々飲みたくなって、自分の中の原点に還るような酒。
残りの人生のうち、蒸留所で売っているあのウイスキーを何度飲めるかはわかりませんが、飲むたびに、
やっぱりうめーな、余市は。
とひとりごちている姿が浮かびます。
死にたくはありませんが末期の酒を選ぶなら恐らくこの辺を選ぶような気がします。
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