さらりと読める人間観察的小説。

拙い感想で言えば、色んな人がいるよなー。と。

ただ、あまりにもさらりとしているので感情の起伏が少ない。
物語自体が平坦なのではなくて、受け手の私が平坦に読んでしまったからだろう。

ふと、名文は少ないなと思った。
併読している草枕と比べると文書にキレがないように感じる。
けれど、そういった切れ味を表現するようなものでも無いのだろう。

だからこその日常を描いているというところだろうか。
刺激的な何かを求めて読むのではなく、「あるある!」と共感しながら読んで行くような物語。

とりわけ、目を惹くような人々ではなくて、目を惹かない人々の知られざる内側とでも言えば良いのだろうか。

そこに共感しながらと言うのも変な感じだが、
誰もが主人公になれると言う事なのかもしれない。

それ程、大きな主題は恐らく読み取れない。
けれど、結果そう言う事になるような気がする。

缶コーヒーはどこでも飲める。けれど、その場所で味わう缶コーヒーは
決していつもの味とは違うはずだ。





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