BGMはアリスのチャンピオンではない。

そんなに耳触りの良い話ではない。
濃縮されたボクサーの汗の一滴。
それを舐めるかのような小説。

多少読みにくい部分、鼻に付く文章だが、そこに著者の企みを感じるのは私だけではないだろう。

そこを超えたら後はテレビを観ているように気楽に、試合を観ているかのように臨場感を味わう事になる。


一つ、騙された!!と思ったのは、本の構成。
題名の長編と中編が二作入っている。

つまり、残りのページ数から推測し得る部分までは語られない。

そういう話ではないから、物足りなさは感じない。
けれど、念の為、この長編が何ページあたりで終わるのかは事前に知って置いた方が良いだろう。

この勢いで、この著者の残りの作品をこなせるか?
ちょっと挑戦してみよう。





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