この著者を知ったのは亡くなってからだった。
彼女の著作を読むたびにその豪快さと繊細さと軽妙な語り口に
魅了されてきた。
ロシアという全く知識のない国の思いもよらない事を
ぐっと身近に感じさせてくれる。
通訳という仕事を通して、見えてくる世界。
その世界は思って以上に広大で膨大だ。
私にしてみればほぼ五里霧中状態。
日常会話程度の通訳ならばまだ分かる。
けれど、これが専門家の集まる会議であったり、
政治家同士の会談であったりすると話が違ってくる。
専門用語に、心理戦、ただ通訳するだけならまだしも、
他国のユーモアのニュアンスを自国のニュアンスに直さなければならない。
私はその様を読んでいて、『瞬発力の戦争』だと思った。
通訳とはその一言一言に命を削っているかのようにすら思える。
けれど、私のそんな心配をよそに、面白可笑しい体験談や逸話を
惜しげもなく披露してくれる。
何となく選んだ通訳と言う職業が好きでたまらない。戦々恐々とする事も多々あるにしろ、やはり、何であろうと好きなものには限らない。
そんな愛に裏打ちされたエピソードだからこそ読者は、他人事の様に一喜一憂する事ができる。
この人だから自分の感情を預けてしまって構わない安心感。
女性である著者を称して「巨人」というのは些か気が引けるが、その懐の深さと見識の深さを目の当たりにすると、そう思わざるをえない。
それにしても彼女の言う三大鳥肉料理の一つ、グルジアのタバカ焼きなるものは本当に美味しそう。
仮にロシア周辺諸国を旅する際には携帯したい本の一つである。
他は?と問われて出てくる本は今のところない。
ロシアは今日も荒れ模様 (講談社文庫)/米原 万里

¥520
Amazon.co.jp
彼女の著作を読むたびにその豪快さと繊細さと軽妙な語り口に
魅了されてきた。
ロシアという全く知識のない国の思いもよらない事を
ぐっと身近に感じさせてくれる。
通訳という仕事を通して、見えてくる世界。
その世界は思って以上に広大で膨大だ。
私にしてみればほぼ五里霧中状態。
日常会話程度の通訳ならばまだ分かる。
けれど、これが専門家の集まる会議であったり、
政治家同士の会談であったりすると話が違ってくる。
専門用語に、心理戦、ただ通訳するだけならまだしも、
他国のユーモアのニュアンスを自国のニュアンスに直さなければならない。
私はその様を読んでいて、『瞬発力の戦争』だと思った。
通訳とはその一言一言に命を削っているかのようにすら思える。
けれど、私のそんな心配をよそに、面白可笑しい体験談や逸話を
惜しげもなく披露してくれる。
何となく選んだ通訳と言う職業が好きでたまらない。戦々恐々とする事も多々あるにしろ、やはり、何であろうと好きなものには限らない。
そんな愛に裏打ちされたエピソードだからこそ読者は、他人事の様に一喜一憂する事ができる。
この人だから自分の感情を預けてしまって構わない安心感。
女性である著者を称して「巨人」というのは些か気が引けるが、その懐の深さと見識の深さを目の当たりにすると、そう思わざるをえない。
それにしても彼女の言う三大鳥肉料理の一つ、グルジアのタバカ焼きなるものは本当に美味しそう。
仮にロシア周辺諸国を旅する際には携帯したい本の一つである。
他は?と問われて出てくる本は今のところない。
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