面白い人が普通に書いた面白いエッセイ。

一度だけ講演会に行き、人となりと声位は記憶があるが、それ以外はあまりしらない。


長期の海外旅行へ出かける際には必ず海苔を持って行く事と、氷河の丘が砕け散る様に打ちのめされた事位しか逸話は知らない。

そして、今回は強烈なロシアのトイレについてとその他なんの関連性もないエッセイが集められている。

そのどれもがクスリとさせる。

旅は続けているとある時期から、日常になる。バックパッカーで言えば沈没だ。
沼にはまった様に、退屈と刺激を繰り返す。

けれど、彼の場合は違う。
いや、違わないのかもしれないけれど、はまった沼で楽しむ様にしか思えない。

好奇心の塊。そう言ってもいいだろう。

何も考えず、これと言った思いも浮かべず、いつでもページを捲れば、同じ景色をいつまでも美しいと感じさせる本。

彼に影響されて、海苔の代わりに自家製の梅干しを旅には持って行ったし、崩れ落ちる氷山は今でも凄まじい音とともに再生される。

彼の事は余り知らないといったが、影響を受けすぎるがゆえに無意識に遠ざけていたのかもしれない。













iPhoneからの投稿ロシアにおけるニタリノフの便座について (新潮文庫)/椎名 誠

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