新刊がでるとつい買ってしまう著者のエッセイ集です。

お茶の水大の哲学部教授である氏のとことんくだらないエッセイです。

この面白さをこの場でどう表現すればいいのか。

悩まなければ表現が思いつかないほど実は面白くないのか、
それとも、面白くないにもかかわらず面白いと思ってしまって
いるだけなのか、
それを私の理性が表現することを拒絶しているのか。

けれど、この著者の他の本を勧めた人々は
そろって苦い顔をして返してきます。

もしかすると、
外出前に食べるものがなく、
かりんとうと間違えて、
炭を食べてきているのかもしれないが、
少なくとも、他の本貸してと言われた事はない。

多分著者の高尚な笑いについてこれないのだろう。

高尚であると言う事は孤高であればあるほど、
認める人が少なければ少ないほど、
認めた時の価値が倍増するものだから、
面白いと思っているのは著者ただひとりかもしれない。

けれど、ストイックな著者の事だから、
おそらく全く面白いとは思っていないに違いない。

むしろ、この世の中からなくなってしまえば、
酷く貴重がられるのかも知れない。

著者にそう勧める為の手紙でも書きたいところだが、
わざわざ切手代を払ってまで伝えたい事ではない。

はじめに新刊で買ってしまうと書いたが、
たまたま、お札が紛れ込んでいると
誤解してしまっただけに他ならない。

こんな内容の本にお金を払うくらいなら、
牛丼を食べたほうが身になるしお金も
喜ぶだろう。

しかし、そうはいっても、
次の新刊が出た時に自分のおなかが
牛丼を求めていなかったとしたら、
買ってしまうかもしれない。

そして、後悔してしまうのだろう。

妻と罰 (文春文庫)/土屋 賢二

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