一つ一つを丁寧にと言う事は、すさまじいしつけによってしかなされない。

道元の厳しさをにじませる書。

と、自身の感想は置いといて。


とても、優しく、そして、季節ごとに挙げてある料理の挿絵がなにより美味しそう。

どうしても、食べ物に意識を向ける事が性格的に難しい。

けれど、それは、何事にも乱暴で雑な自分がそこに出ているだけに過ぎず、

けっして、食に関してだけではない。

反省。


ただひたすらに『典座』を続けてきた著者の生の言葉だからこそ、

心にしみてきます。


母親の食に対する心配り。

食事そのものに対する姿勢。

米の味を味わう。

それが明日の自分を作っている。

だから、食事をないがしろにすると言う事は、

未来の自分を既にないがしろにしていると言う事になるのでしょう。


お昼にカップラーメンもたまには仕方がないかもしれません。

けれど、せっかくの食事の時間を短くても大切にしていける

自身に対する心配りというものにもっと目を向けるべきだと、気付かされました。


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