面白い小説だった。

続編もあるらしいのでそのうち読んでみる事にする。

読みやすくて、物語にも引き込まれる。

双子の少年が付けた日記という形式なので、

物語は短編をつないでいくような感じになっている。

戦争、母親、少女、魔女、勉強、司祭、文房具・・・・

双子の逞しさというか、

まっすぐさ。

そして、その残酷さ。

背筋が冷たくなるほど、徹底した信念。

一方では老子を思わせるような事を行い、

一方では軍人を思わせる鍛練を行う。

読んでいて、気持ちの良くなる小説ではないが、

引き込まれていく。

ラストではしっくりこない、というか、

突然過ぎて、あっけにとられてしまった。


たしか、文房具屋での話でも違和感を

覚えた。

時折ある急激な変化は子どもならではの

驚異的な成長なのだろう。

それにしても、驚かされる。


ふと、今思う。

双子の兄弟のうち、

どちらが日記を書いていたのだろうか?

多分、どちらでも同じことだったのかもしれない。

でも、違うかもしない。

それが、ラストにもかかわってきているかもしれない。




悪童日記 (ハヤカワepi文庫)/アゴタ クリストフ

¥693
Amazon.co.jp