一日って本当に早い。
でも、一週間はようやく。
こんな矛盾した時間感覚って不思議。
昨日の続き。
五感の無い生活を一つ一つ解いてみよう。
あくまでも勘と想像でしかありませんが。
では、
『視覚』から。
以前、DIDで経験した事柄も踏まえて、今の自分が考えられる
果てまでいってみよう。
まぁ、見えない。
見えないということは予測できないということでもある。
全ての道がまっ平らで、障害物がなくって、人も通らない
なら、見えなくても歩ける。
どこへ行ってしまうかは制御できないけれど。
見えない事で、他の感覚が鋭くなって、視覚を補うという
ことはあるらしい。
ということは、補助できてしまう。
真っ暗をたった30分経験しただけだけれども、
眼が見えなくても、慣れてしまえば困らない。
いや、困る事はあるけれど、
今、困る事でも見えなくなったら、困らなくなる
そんなこともあるだろう。
瞼を閉じてみる。もちろん嘘だけど。
真っ暗のなか、歩いてみる。
匂いがする。
音がする。
何かに触る。
全てが、今までよりも生生しい。
全てが今までよりも鮮明に感じられる。
でも、真っ暗だ。
蛍光灯の明かりもいらなければ、
文字も必要ない。
見えている事よりも、
見えていない世界を知っている。
そこには変わらない世界がある。
ただし、今とは全く違う世界。
階段を踏み外し、
満員電車で足を踏まれ、
誰ともわからない人の足をふみ、
頭を下げる方向を見失う。
車輪の音がうるさくて、
イアフォンからもれる曲がうるさくて、
人の呼吸が聞こえる。
新聞をめくる音。
携帯をいじる音。(おそらく、あれはアイフォンだろう)
咳。
衣擦れ。
社内アナウンス。
・
・
・
・
・
・
・
・
今、私の視覚がふっと途切れた。
『聴覚』
突然耳が聞こえなくなった。
なにも聞こえない。
これじゃ、音楽も聴けやしない。
真っ暗な世界。
音の無い世界。
まるで何にもないじゃないか。
嘘。
感じる。
音楽も、
音も、
太陽も、
そして、見上げた今日の空は恐らく満月だろう。
電車の中は静まり返り、
誰もいないのかもしれない。
嘘。
きちんと感じる。
息が臭い人が、
香水がきつい人が
タバコ臭い人が、
そして、恐らく老人が。
触れる。
僕の世界は常に身近にある。
それはすごく安心できる事だし、
この先のどこかに思いをはせると、
心躍るような、
恐ろしいような。
僕の世界は今のところ半径一メートル位らしい。
続く。
現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))/玄侑 宗久

¥735
Amazon.co.jp
でも、一週間はようやく。
こんな矛盾した時間感覚って不思議。
昨日の続き。
五感の無い生活を一つ一つ解いてみよう。
あくまでも勘と想像でしかありませんが。
では、
『視覚』から。
以前、DIDで経験した事柄も踏まえて、今の自分が考えられる
果てまでいってみよう。
まぁ、見えない。
見えないということは予測できないということでもある。
全ての道がまっ平らで、障害物がなくって、人も通らない
なら、見えなくても歩ける。
どこへ行ってしまうかは制御できないけれど。
見えない事で、他の感覚が鋭くなって、視覚を補うという
ことはあるらしい。
ということは、補助できてしまう。
真っ暗をたった30分経験しただけだけれども、
眼が見えなくても、慣れてしまえば困らない。
いや、困る事はあるけれど、
今、困る事でも見えなくなったら、困らなくなる
そんなこともあるだろう。
瞼を閉じてみる。もちろん嘘だけど。
真っ暗のなか、歩いてみる。
匂いがする。
音がする。
何かに触る。
全てが、今までよりも生生しい。
全てが今までよりも鮮明に感じられる。
でも、真っ暗だ。
蛍光灯の明かりもいらなければ、
文字も必要ない。
見えている事よりも、
見えていない世界を知っている。
そこには変わらない世界がある。
ただし、今とは全く違う世界。
階段を踏み外し、
満員電車で足を踏まれ、
誰ともわからない人の足をふみ、
頭を下げる方向を見失う。
車輪の音がうるさくて、
イアフォンからもれる曲がうるさくて、
人の呼吸が聞こえる。
新聞をめくる音。
携帯をいじる音。(おそらく、あれはアイフォンだろう)
咳。
衣擦れ。
社内アナウンス。
・
・
・
・
・
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・
今、私の視覚がふっと途切れた。
『聴覚』
突然耳が聞こえなくなった。
なにも聞こえない。
これじゃ、音楽も聴けやしない。
真っ暗な世界。
音の無い世界。
まるで何にもないじゃないか。
嘘。
感じる。
音楽も、
音も、
太陽も、
そして、見上げた今日の空は恐らく満月だろう。
電車の中は静まり返り、
誰もいないのかもしれない。
嘘。
きちんと感じる。
息が臭い人が、
香水がきつい人が
タバコ臭い人が、
そして、恐らく老人が。
触れる。
僕の世界は常に身近にある。
それはすごく安心できる事だし、
この先のどこかに思いをはせると、
心躍るような、
恐ろしいような。
僕の世界は今のところ半径一メートル位らしい。
続く。
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