これは良い。

ぐんぐん物語に引き込まれていく。

今回は『走る』ことが題材だったけれど、

何にでも言える事は極致には『美しさ』が伴う事。

それは天性のものであるかもしれないし、努力で身に着くものかもしれない。

そして、身に着かないかもしれない。

けれど、だからと言って、何もしないのでは変わらない。

変わる事が重要なのではなく、自身との対話が必要になってくる。


床が抜けてしまうほどのぼろいアパートが満室になったことから始まる青春。

青春なんてあまっちょろいものではないかもしれない。

清瀬の一つ一つの言動に、それに応える同じ寮に住む学生たちのむき出しの

生き様に、走る姿を思い浮かべるその姿にいちいち瞳を潤ませた。

最近はザザっと読んでしまう事が多く、こういう小説もなんとか読んでしまう。

そうするのがもったいなくなった。


週末のクライミングが楽しみになった。




風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)/三浦 しをん

¥860
Amazon.co.jp