さらっとよんで終わりにしようと思ったら。

・・・すごく面白いですこれ。

内容はもちろん伊勢神宮について。

意外な事に、正確な建立時期はわかっていないみたいで、
その上、二十年に一度建て替えるもんだから、調べようがない。

そんなことも知らなくても生きてはいけるけれど、
でも、知ってしまうと自分の無知さ加減にあきれ返ってしまう。

前半は伊勢神宮の神明造りの一部分である、『勝男木』と『千木』について考察を進めていく。

かなり、ドラマティックな?展開に電車の中でにやにやしていました。

その読んでいる本が『伊勢神宮』で、読んでいる人間が坊主だとしたら、
ぎりぎり不審者ではないけれど、しこりが残る。

そんな印象を持たれてしまいそうです。

さて、この著者は言います。
今までの伊勢神宮論はその時期その時代の流行りで解釈されてしまっていると。

江戸時代ならその時代の。現代ならば現代の。さらに付け加えるならば、
原初の神社としての伊勢神宮と言ったところでしょうか?

だから、本当の伊勢神宮の成り立ちと言うのはわかっていない。
ではまず、その今までの通説をたどって行ってみようではないかと著者は続けます。

余談ですが、『三種の神器』ってどんな形しているんでしょう?
その影すらつかめないとは余程の国宝もとい、神器なんでしょう。
すごく気になります。

簡単にまとめると、『千木』とは
①風抑えの為の部材
②その端部切り口などは陰陽を表しているという神秘学的な見地
ということになります。

そこに流行りがのっかって、侘び寂び的なものの見方が出来たり、
神聖なものとして見えたり、歴史的に重要な建築物としてみる事が出来ます。

ただ、あくまでも『出来る』だけであって、真理ではないかもしれない。7

続く後半戦に期待です。


気になる言葉として、『本居宣長』そして『古事記』。
この辺をもう少し詳しく調べてみたいものです。




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