イタリアで二番目に車事故が多いと言われている、高速のような"ポンティーナ"を飛ばしながら、今日も娘Sのお迎えに向かっていた14時50分。
追い越し車線の左側にいたのだが、数台前にビックリするほど不審な車がいるのに気がついた。
角張ったやや大きめの白い車体に、青字で会社のロゴ。
どうやら冷凍食品会社のものらしかった。
この車。
車線のほぼ真上を走っていた。
しかも追越車線にいるのにやたらとノロイ。
後ろにいた数台がイライラとしながら追い抜こうとするのだが、あたかもそれを邪魔しているかのように左右に良くぶれながら運転していた。
酔っ払い運転?
結局、その数台の車たちは、レーシングカーのように蛇行しながらその白の四角い車体を追い抜いていった。
そして気がついたら私の目の前に。
確かに追い抜こうにも抜かせてくれない。
どうしたものかと思い悩んでいたところに、後ろから猛スピードでやって来ているベンツに気がついた。
ライトをかしゃかしゃと光らせながら私を煽ってくる。
只者ではない感じ。
ふと、
このベンツだったらこの前の車に対してどのような態度を取るのだろう?
そんな風に思いながら、さっと右側車線によけてみたのだった。
さてこのベンツ。
ぴったりと白車にくっつき、ライトをかしゃかしゃと光らせながら煽っていたが、かと言って白車はよけるわけでもなく、相変わらず蛇行運転を続けていた。
そしてポンティーナ1の事故スポット、
大きなカーブを描きながら下り坂となっている地点で、白車がようやく降参。
右側に避けた。
その後、
目の前のあっと驚くような光景に、思わず凍りついた私!!
ようやく追い抜いたベンツ。
そのまま猛スピードで行ってしまうのかと思いきや、いきなり右側車線に半分車体を滑り込ませ、敢えて速度を落としたのである。
しかも下降中のカーブの途中で。
あっ、ぶつかる!!!
そう思って目を閉じた瞬間、再び速度を上げ、大きな罵声と共に恐ろしい猛スピードで立ち去っていったのだった。
イタリア人の荒い、煽るような運転を見ていると、
天性のレーサーなのではないか?
そう思えてくる事がよくある私。
それと同時に、運転をしながらどうしてここまで意地悪になれるのだろう?とも。
あたかも車を自身の体の一部のように扱い、本当にやりたい放題である。
そこに安全性や秩序などは存在せず、
あるのは自身の暴走心とレーシング心。
素敵な部分も沢山持ち合わせているイタリア人の唯一苦手なところが
こんなところである。
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