我が家のドルチェ。
ラクトースアレルギーやベーキングパウダーに敏感な夫のため、手作りがほとんどである。
とはいえ、育ち盛りの娘の希望も考慮し、時には市販のおやつも買う。

今朝、その市販のおやつを朝いちに口にしてしまっていた私。
朝いちだったからなのか、それともやはりイタリアの市販ものだからなのか、異常なまでの糖分を感じ、たかだか小さなクリーム入りのミルフィーユだったというのに食べた後に胸やけまで起こしてしまった。驚

イタリアの市販のドルチェは、やはり糖分が必要以上に入っている。
そしてベーキングパウダーが使用されている場合にも同様、必要以上に使用されていることが多い。

共働きの家族の子供など、こんなものだけを口にして育っていったら?

と考えたらふと末恐ろしくなってしまった!

子供の味覚( 正確には味蕾 ) は8歳から一番発達し、12歳にはピークを迎えるという。
まさに娘の年頃ではないか!!




イタリアで始まったスローフード。
アメリカで急成長を遂げていた、ファーストフードを逆手にとって名付けられている。

スローフードには味覚教育も含まれるが、元々は子供の味覚を保護するために始まっている。
イタリアだけではなく、フランスでも同時期に同様な理由から発端している。

地域に根付いた食文化や伝統料理、伝統的な食材、それらを支える人たちを守るというのが大々的なコンセプトと解していた私だが、同時にこれからの食を担う子供たちの味覚をも守るという更なる大きなコンセプトまであったのだ。



イタリア
マンマが作った料理を家族みんなで食卓に囲み、尽きないおしゃべりやワインと共に食を楽しむという風習がある。
そしてそんな彼ら、マンマの味は世界一の味と信じて止まない。

そして
フランス
食べる事に関して、イタリア同等にかなりの拘りを持つフランス人。
彼らは食べるために生きている!といわれているほどに、食に強い拘りを持つ。

この二国が、食の未来を支える子供たちの味覚のために立ち上がっていたのが食育なのである。



もう15年も昔の事。
神奈川のとある小さな自治体から、イタリアのスローフードについての講演を頼まれたことがある。
そちらはフランス人がメインとなっている団体であった。
当時は、イタリアの地域に根付いた食への拘り、守り続けられている食文化をメインに話しをしていたが、今思うに、子供の味覚についても話せていたなら更に奥行き深い会になっていたのでは、、、と少し残念である。
 


フランス料理の師匠ともいわれる、三國氏曰く、

味覚を育むことは、子供たちの脳の発達や感性を磨くことにつながる。
そして鍵となるのは、舌の表面にある”味蕾”という器官。
食べ物に含まれる味は、まずは味蕾でキャッチされ、それから神経細胞を通して脳に伝えられる。
この味蕾、8歳から急速に増え、12歳をピークにまた減っていく。
大人になると半減までする。
そして、味蕾はあっても鍛えないと錆び付いて使い物にならなくってしまう。
だから味蕾がどんどん増える小学生のうちに、しっかりと使って鍛えないといけない。

小脳は8歳ごろ、大脳は12歳ごろに完成する。
そして人は8歳頃から急速に物事への気付きが始まる。
その頃までにどれだけ沢山の刺激を与えたかが脳の発達にとってとても重要となる。
味蕾が味をキャッチする度に送られる信号も、脳の刺激となる。

いろいろな味を感じることで脳が刺激されると、本来備わっているはずの五感が開花する。
そして開かれた五感を駆使して、周囲や相手をよく観察出来るようになる。
その結果、自然に想像力が働くようになり、気付く力が生まれる。



幼少に味覚(味蕾)を駆使し、鍛えることがどんなに大事なことか!

しかもこの味蕾。
化学調味料や添加物には反応しないともいう。
自然なもので鍛えていくしかないのである。



マンマの手作りドルチェで育った夫は、今でも大量生産された袋入りのお菓子を口にしない。
添加物の味しかしないという。
そんな夫である。
市販のおやつの袋を娘が手にする度に、眉間に皺を寄せる。
面倒だなぁと思うこともしばしばだが、やはり間違ってはいないようである。笑

 参考文献
 KOKOCARA
「味覚の発達は12歳がピーク」
 “世界のミクニ”に聞く、子どもの五感を開く味覚の育み方

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