入院中の母に、久しぶりに直接会えました。およそ一年ぶり。

前回はこちら

はじまりはこちら

母は身体が思うように動かず、リハビリを続けています。人工呼吸器を完全離脱できていないので、言葉を発することもできず、口から食事を摂ることも叶いません。

母の手を見ると、しわしわでカサカサでした。

一年前、病室に入れてもらった時には、母に触れられませんでした。

PCR検査で陰性を確認していたのだし、使い捨ての手袋もしていたから触れてもよかったのだろうけど、わたしは躊躇してしまいました。

その頃の母は今より手が動いたので、わたしに向かって手を伸ばしていました。

でも、わたしはその手を取ることができなくて、それが心残りでした。

だから、直接会うことができたら母の手を握ろうと思っていたのです。

母の左手をわたしの左手で握手するように握りました。母はしっかりと握り返してくれました。

母の右手も握りました。

こちらもしっかりと握り返してくれました。

面会時間が終わるまで、母の手を握り続けました。

母との対面面会（五月） その4 握り返してくれた母の手