母が入院、父が特養入所したので、実家を片付けています。
両親が処分を先送りした結果、かわいい一人娘に全てのしわ寄せが来ているこの現状をどうお考えでしょうか。母が元気ならば問うてみたいところです。
捨てづらいもの
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- 日記
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母のレシピ集
母は、わたしが生まれる数年前に専門学校に通い調理師の資格を取りました。
お店を開くのが夢だったらしく、わたしが小学校高学年くらいの頃から居酒屋をやってました。10年くらいやっていたでしょうか。
お正月に帰省すると、たくさんの手料理でもてなしてくれました。
母は料理番組を録画しては、レシピをルーズリーフに書き溜めていました。
それが分類されて、大量にあります。
数えてみたら、41冊ありました。
手書きのものがバインダー41冊ですよ?
バインダーも統一されていなくて、キングジムファイルのぶあついのもあったりします。未分類のものもあります。
たとえばこれが4冊くらいに厳選されていて、母がむかしよく作ってくれた思い出の味ならば、
「受け継いでいきたいわ」
「たまには懐かしい味を作ってみようかしら」
と思えたのかもしれませんが、40冊は多すぎて受け継げません。
しかも、オリジナルレシピというわけではなく、料理番組のレシピだし。作りたい料理があってレシピわからなかったらネットで検索するし。料理本の方が見やすくわかりやすいし。
そもそも、おいしい料理を作るために書き溜めていたレシピのはずです。料理番組を見てレシピを書き起こすのは、おいしい料理を作るためだったはず。
それがいつしか、レシピを書き溜めるのが目的になってしまったのかもしれない。
レシピを書き溜めること、それをジャンルごとに分類することなんて、想像しただけで途方もない労力です。
それを思うと捨てづらいのですが、捨てます。
わたしの家にはこれを保管しておけるスペースなどない。
これから母の回復が進んで、話せるようになって、
「書き溜めたあのレシピが見たいわ」
なんて言うことがあるでしょうか?
残り少ないであろう人生、過去に書き溜めたレシピを読み返します?
母の手料理の味なら、わたしの舌が覚えてる。
わたしの身体は、味覚は、母の料理でつくられた。
お店で、母の料理はたくさんの人の舌を楽しませた。
それで十分でしょう、お母さん。